夢を見た


病院に居る


その病院には壁が無く、診察室からは赤い大きな岩山が見える


カミさんの悪性腫瘍の治療に来ていたのだが、医者からはもうなす術がないと言われた


暫く沈黙の時が流れ、私は何故か遠くに見える赤い岩山の上に群がる鳥を見ていた


それから私はその医者に一言お礼らしき言葉を述べ、診察台に横たわるカミさんを抱えて駐車場へ歩き始めた


私は歩きながらずっと、「ごめんね、ごめんね」とカミさんに話しかけている


カミさんは眠っているのか返事はなく、ただただ私が謝り続けていた


どうせ見る夢なら、元気なカミさんに会いたかった


~セドナの岩山の画像をお借りしました~