幡ヶ谷から新宿へ
途中の駅で乗ってきた
太った女の額の汗
ああ、暑苦しいな

一度座った女が
電車のドアが閉まる瞬間
ホームに駆け出すのは
ああ、僕のせいかも

きっと、僕の心の声は
たまに周りに聞こえていて
あの女もそれに耐えられなかったんだ

向かいに座っている女子高生を見ながら
昨日見たAVのこと思い出してるのも
そうきっともうバレてる

ねえ、そうだとしたら
いったい僕は今まで何人の人を傷つけた?

高校で同じクラスだったあいつのこと
頼りない叔父のこと
偉そうな会社の上司のこと
気になり出したら
とたんにもうダメだ

向かいのホームに電車が入る
太った女が飛び込んだ
ああ、きっと僕が殺した

嘘ひとつ
僕はイギリスと日本のハーフです
嘘ひとつ
運動が好きでサッカーを10年くらいやってます
嘘ひとつ
武蔵野の住宅地にすんでいます
嘘ひとつ
バイセクシャルです
嘘ひとつ
でも結婚しています
嘘ひとつ
30才になりました
嘘ひとつ
バイオリンをはじめました
嘘ひとつ
K-POPが好きです
嘘ひとつ
今夜首を吊りました
嘘ひとつ
でも死ねませんでした
嘘ひとつ
僕は生きたいのです
嘘ひとつ
たぶん僕はちょっと
嘘をつく
歩け
歩け
の、兵隊は
朝からずっと意識不明

歩け
歩け
と、言われても
僕はちっとも乗り気でない

歩け
歩け
が、続くので
後ろ歩きの反抗期

歩け
歩け
って、さぁ…