僕が一体どんなものを美しいと思って
一体どんなものを醜いと思うのか

君が一体どんなものを美しいと思って
一体どんなものを醜いと思うのか

それを一挙動で切り取って
目の前に二つ並べたとする

それぞれが全く別々の形をしている
全く別々の色をしている

世界の姿はそんなような理由で
バラバラなのに
こんな世界を撮って
僕は
彼女は
どうしようっていうんだ
私の心は泣いている
人混みの中で取り残される度に

私の心は泣いている
私の言葉に振り返る人が詐欺師であったと知る度に

私の心は泣いている
君の夢が裏切られる度に

Sよ、右腕のしこりはまだとれないか
河の向こう側で此方を振り向きもせず
何処を見つめているんだ

私の心はこんなにも涙を流しているのに
夜明けがきた
百の海を渡って
地平線の向こうから
夜明けがきた

銀河の波が風を立て
惑星の飛沫があがる
僕の心にも
あの河の生命が散る

向こうに見える湖でさえ
ひどく崇高な魂が満ちるのではなく
小さな星屑の集まりだという

老人は見つめている
夜明けを
少年は見上げている
夜明けを
大木は支えている
夜明けを
プランクトンは感じている
夜明けを

そんな夜明けに
僕は震えている
その夜明けの先に
彼女は何を見ているのか