(前話:陰陽)


<そしてどこかへの滑空>



 運命を憎み、しかし今まさに運命と対峙する勇者の目前で空間が裂けてそこは奈落。
 まったく分断された風景は拡がって老人を映す。
 沈黙には沈黙で答えるというあまりにも短絡な考えに頭がぐらぐらしていた母の願いは死であった。
 イアグストはそのとき聖職者。
 デュークは祈りとしてあった。
 毅然として向き合う老女の一途な愛を貫き、僕にもお前にも無理だよ、と言った。
 そのせせら笑うイアグストの悪辣。
 またその瞬間、涙紗の肢体は怪しく蠢き、世の男共を液晶画面から誘っていた。
 食い入るように画面をみる男、男、男。
 膨れ上がってはち切れんばかりの勃起は世界で250億。世界の外で300兆。
 勃起はこの惑星で250億。その星のそとで9000兆。おおよその数である。
 落語に泣く魂の白。
 恐怖という感情恐怖を体験するその恐怖恐怖を体現するために恐怖そのものにならねばならぬ恐怖と恐怖に打ちひしがれるあまり発狂する恐怖。
 逃げろ逃げろ。タンジール航空101便に粘膜の席がある。そこに座せ。まず座せ。そして鳥を喰え。豚を豚の皮を喰え。
 薬効はないけれど薬莢が飛び散る機内。
 銃弾はその窓を撃ち砕き生じた圧力差によって脳は更に激しく揺れてしまって安定を欠いていた。
 まるで変換に1兆の秒数を費やさねばならぬようなイライラがある。
 腐らせぬようにLSDを喰い散らせ!オラオラオラ!
 いくら頭を下げたってババァ、お前の黒さは明白だ。
 魂の黒。
 生き腐る人。
 せめてあと300年若返っていればまだ潤いは今よりもあってこの肌で、この股で雷寸、あなたをくわえ込んで奪っていたのに雷寸。
 裂ける裂ける。
 股が裂ける。
 そしてまた、時空が歪み、音をたててガラガラ。
 崩壊した。


(次話:詠唱と腐臭)




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