トム・ウェイツ素面の、酔いどれ天使/金原 瑞人
¥2,730
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トム・ウェイツを追いかけているライター、パトリック・ハンフリーズの前作「酔いどれ天使の唄」は持っていて、何度か繰り返し読んでいる。


先ほど、ちょっと車を運転してみようかと、TSUTAYAまで行ってみて「やっぱあんまり具合が良くない」という結論に達し、それでもせっかく寄ったついでだから「図書館戦争」でも買って帰って、明日の朝までに読んじゃ負うかなって思っていたら、平積みでこの本を発見してしまった。


う。


「図書館戦争」が1700円程度。

この本が2700円。

両方買うのはちょっと(笑)

そこで私は一考。

この芸術性皆無、文化無視の土地柄で、何人くらいトム・ウェイツの存在を知っている人がいるのか?ということである。

平積みで数冊置いてあったって、たぶん1年では売れないだろう。

もちろん、版元に返却されてしまったら終わりだが、そうしたらamazonで買えばいい。

「図書館戦争」はなんだか通販で取り扱わなくなっているようで、amazonでもTSUTAYAでも扱ってなかった。


で、結局「図書館戦争」を買って帰ってきたのだが、このトム・ウェイツの伝記は、前作の最後でで結婚し、子供もでき、育て、酒もタバコもやめてクリアになった酔いどれ天使の現在を書いているので、「素面の」 「酔いどれ」 という矛盾したタイトルになっているのだろう。

トム・ウェイツは、いつでも創作に酔っているのだ。

音を創り、演じる。時には細君と共に脚本を書いたりもしているようである。

四半世紀、彼の音を聞き続けていて、デヴュー当時からこれほど音が激しく変化する人もいないだろうと言うくらいの変貌をみせながら、ボクはこの人の音楽に失望したことは一度もないし、アルバムを聴いて一曲たりとも駄作のないアーティストは他にいないと思う。

前にも書いたが、同じフレーズをヴォイスパーカッションでひたすらリピートするのに、サンプリングをいっさい使わない、数分間、生で自分が発声し続けているのである。こんな事は創っている側にしか解らないことだ。聴いている人間には、同じ事の繰り返しにしか聞こえないのだ。

でも、彼が一旦「サンプリングをしない」といったら、絶対にしないのである。

変人だが、信頼のおける、そういう人なのである。


この人も、U2のボノや、キースや、ジョニーデップと同じ、ブコウスキー信者である。

「音源の最終的な価値は、演奏者が決める」

彼がそう言っているように思える。


コトバと音と演技という、表現形式の違いはあるけれど、メインストリートに背を向けながら、メインストリートのビッグネームから常に注目され続ける、孤高のアーティストたちである。



『図書館戦争』公式サイト