またある晩は、金髪の綺麗な髪をした痩せぎすの外人女がステージによじ登ってきて、俺のモノをしゃぶり始めた。浮遊感ウハウハで、射精しようと金髪に手をかけたら、女の頭の皮が剥がれた。と俺は思った。俺の手の中にあったのは金髪つやつやのヅラだった。女はスキンヘッドだった。暗がりの中、女が着ていたTシャツを引き裂いて胸をはだけると、毛むくじゃらでピアスをした汚い、みすぼらしい乳首が剥き出しになった。明滅する原色のライトの中で、野郎はにっと笑った。ひげ剃り跡が赤青黄色のライトに白く反射した。絶望に打ちひしがれた俺のギターの尻がくそったれの顔面を捉えた。ゲスの鼻がへし折れて血しぶきを上げながら仰向けにひっくり返った。キタネェ。ケガラワシイ。今、俺のペニスはとても臭いはずだ。我慢ならん。イカサマのようなライブにぴょこぴょこ跳ね回っている馬鹿ったれ共を眺めると、最前列に先日俺が蹴り落とした女がいて、ニヤニヤ笑っている。俺が腰を突き出すとまた這い寄ってきてシャブリついた。暫くしゃぶらせて射精してから突き倒し、またステージから蹴り落とした。股間の掃除が終わればもう用はない。

 デタラメだった。仕事もせず、金もないのに生きていた。楽しいのか苦しいのか解らなかった。いつも朦朧としていた。聞き慣れたパンクロックに代わって凶暴なノイズの嵐が俺の脳を支配していた。


(続く)


プラム サイクス, Plum Sykes, 佐竹 史子
ブロンド娘の野望―NYのセレブなパーティガールの、想像を絶する華やかな日常と恋の日々