こんにちは。

 

 

 

[犬]です。

 

 

 

7/24(水)、日本武道館にて開催された、UNISON SQUARE GARDENの20th Anniversary Live、『ROCK BAND is fun』に、

そして翌7/25(木)は宇多田ヒカルの『SCIENCE FICTION TOUR』さいたまスーパーアリーナ公演に、それぞれ参戦してまいりました。

 

 

今年はここまでこの2日間のために生きてきたんじゃないかと思うほど楽しみにしていた2日間。マジでどっちもチケット取れたのが幸運でしかありません。

ワタシ今年はツイてます。

 

今回参戦したライブは、それぞれのアーティストにとって長い活動の歴史の集大成とも言えるような大切なライブ。

 

私にとっても幸福感に満ち満ちた2日間のレポートです。

 

 

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さて、まずは7/24(水)、UNISON SQUARE GARDENの武道館公演へ。会場入りしたのは客入れが始まったあとの18時頃。

 

本当は物販覗いたり会場周辺に設置されたフォトスポットで写真撮ったりとかできたらなーと思ってたんですが、武道館行く前に遊び過ぎてギリギリになっちゃいました。

 

 

 

武道館来るのは6年ぶりでした。4回目くらいかな…?

 

 初めて来たのは2017年のエレファントカシマシ新春ライブ、次が2018年2月のBRAHMAN、そして同年9月のリアム・ギャラガー来日公演。

 

やっぱ武道館は来るだけでテンション上がりますね。

 

『ROCK BAND is fun』と題された結成20周年記念日の7/24公演。Ba.田淵が「ここだけを目指してきて、その先に目指すところもない」とまで語った武道館。

 

10周年の初の武道館公演開催にあたっては当初「まだ早い」と渋り、「20周年の武道館」に対して並々ならぬ思いを語り続けてきたのは、the pillowsの20周年公演や、怒髪天やThe ピーズの30周年といった、まさに苦労人と言える先輩バンドたちの武道館での勇姿を目の当たりにしてきたからこそ。

 

散々この公演への熱い想いをインタビューやらブログやらで読んできただけに、見る側としてもどこか気合いが入ってしまいます。

 

今回取れたチケットは注釈席だったのですが、なんと私の座席はステージの丁度真後ろ。

 

 

基本メンバーの表情とかはまず見えないのはちょっとアレですが、これはこれで貴重なアングルで結構悪くないんじゃないかと思います。

 

やや高いところから見下ろす感じになってるのでドラムセットも隠れてなくてちゃんと見えてますし。

 

ライブは定刻から若干遅れ開演。

いつも通りのオープニングSE、イズミカワソラの「絵の具」が流れメンバーが登場。

 

そこからイントロダクション的なセッションを挟んでから始まった1曲目は「Catch up, latency」。

オープニングナンバーはアレじゃないかコレじゃないかとか散々予想してましたがこれは全く頭に無かったです。

 

ジグザグすぎてレイテンシーが鳴ってる

それが意外なハーモニーになって

あまりにも不明瞭で不確実 でもたまんない

だから記念日と称してしまえ

皮肉は却下だぜ、クワイエット

 

拝啓、わかってるよ 純粋さは隠すだけ損だ

敬具、結んでくれ 僕たちが正しくなくても

 

ただ改めて歌詞を読んでみると確かにこの日のオープニングには相応しいナンバーって感じがしますね。

改めて良い曲だなとか思って神妙に聴いてました。

 

1曲目の終わりから間髪入れずに始まった2曲目は、セルフタイトルの1stアルバムより「サンポサキマイライフ」。

なんかこの曲のイントロが鳴った瞬間にめっちゃ泣いてました。泣くような曲じゃないんですけどね。

ただ1stはユニゾンの中でもトップクラスに好きで思い入れもあるアルバムなので、それで感極まっちゃったんだと思います。

 

ノンストップで矢継ぎ早に繰り出されるハイテンポなロックナンバー。

4曲目が終わったところで「今日は長いよ~」と一言MCがありましたが、そこからはライブ中盤まで再びノンストップの演奏。

 

思えば前回、2015年の武道館ではステージ前方から炎が出たり、ドラムソロではドラムセットの床がせり上がったりと、舞台装置の演出もそれなりにありましたが、今回はそれも全く無し。

さすがに中盤以降は今は普段のツアーでは全くやっていないMCも長めに入り、メンバー全員喋ってましたが、逆に言うと普段のライブと違うところはそれくらいで。

ただただ「良い曲」を「デカい音」で鳴らし続けるだけの、田淵が言うところの「通常営業」により近いライブだったと思います。

 

セットリストは全体的に、ここ5年くらいの間にリリースされた比較的新しめの楽曲が多かったと思います。一方で古くからの定番曲の「場違いハミングバード」や「ガリレオのショーケース」なんかは意外とやってませんでした。

 

終盤、田淵の様々な感情がないまぜになったMC(内容はあえて書きません)の後に演奏された「春が来て僕ら」は本当に感動的でした。

のべ13回にもなる度重なる転調を駆使した技巧的な楽曲でありながら、どこまでも純粋な詞と美しいメロディーで難解さを全く感じさせず、聴いた後には真っ先に「良い曲だったな」と思える、田淵智也の圧倒的最高傑作であると思います。

 

最後に演奏されたのはメジャーデビューシングル「センチメンタルピリオド」。この曲を聴くたびに、ユニゾンの芯の部分は最初から少しも変わってないんだなということを強く感じます。

 

この日はアンコールなしで終演。

あそこまで感動的なライブの最後に、予定調和的にアンコールがあってもそれはそれで醒めちゃう気もするので、この終わり方は潔くてよかったですね。

 

全26曲、2時間半。

 

いつもと変わらない、でも少しだけ特別な、素晴らしいライブでした。

 

 

Set list

 

01. Catch up, latency
02. サンポサキマイライフ
03. Dizzy Trickster
04. fake town baby
05. 恋する惑星
06. Hatch I need
07. マーメイドスキャンダラス
08. Invisible Sensation
09. オリオンをなぞる
10. もう君に会えない
11. スカースデイル
12. オトノバ中間試験
13. 世界はファンシー
14. フルカラープログラム
15. いつかの少年
16. 101回目のプロローグ
17. kaleido proud fiesta
18. スロウカーヴは打てない (that made me crazy)
19. Phantom Joke
20. 天国と地獄
21. 君の瞳に恋してない
22. カオスが極まる
23. シュガーソングとビターステップ
24. 春が来てぼくら
25. シャンデリア・ワルツ
26. センチメンタルピリオド

 

 

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翌25日は午後3時頃に東京から埼玉の方へ移動。

SSAに着いたのは16時ごろでした。

 

 

今回の『SCIENCE FICTION』ツアーは、デビュー25周年を記念してリリースされた同名のベストアルバムを携えてのツアーです。

 

宇多田ヒカルのツアーは、2018年開催の『Laughter In The Dark』ツアー以来、6年ぶり。

前回のツアーは2016年の活動再開からは初のツアーということもあり、チケット応募は凄まじい倍率だったようで、私は参戦が叶いませんでした…無念。

 

今回もアニバーサリーツアー、しかも押しも押されぬ大ヒット曲満載のベスト盤を携えてのツアーということで相当な倍率だったみたいですが、今回は運良く当選しました。

 

宇多田ヒカルのライブを体験できた、というのは将来的には計り知れない価値のある事実になるんじゃないかと私は思ってます。

1966年のビートルズ来日や71年のLed Zeppelin来日が、現場で体験した方々の証言によって伝説になっているように。

 

さて、会場に到着後はグッズ買うなり、フォトスポットで写真撮るなりして開場まで時間を潰します。

 

 
 

 

歩いていてはっきりと感じたのは、外国のファンの多さ。

欧米系の方からアジア系の方まで多種多様。

物販ではこぞってアナログ盤を手にして並ばれていました。

 

どのアルバムも大量の在庫がうずたかく積まれていた中で、やはり人気が高いのか『First Love』のアナログ盤は私が会場に着いた時点で唯一売り切れていました。

もはやあの「顔ジャケ」はJ-POPのアイコンの1つになってる感がありますもんね。

単にインテリアとしても映えるでしょう。

 

 

ライブは定刻から10分弱遅れて開演しました。

 

オープニングナンバーはまさかの『SCIENCE FINTION』収録外の「time will tell」。デビューシングルの「Automatic」と両A面のもう一曲の方ですね。

 

私この曲が宇多田ヒカルの曲の中でトップクラスに好きなんですけど、まさか演奏すると思ってなかったのでマジで嬉しかったです。

多分なんか変な声出てたと思います。

 

今回のツアーのセットリストは序盤~中盤は2010年の活動休止以前にリリースされた楽曲、終盤は2016年の復帰以降の曲で固められていたんですけど、休止前の曲に関してはなんと半分以上がベスト盤収録外の曲でした。

 

それでまた選曲が良くて、先述の「time will tell」にはじまり、「In My Room」「DISTANCE」「Wait & See」「Keep Tryin'」とか、あと「ぼくはくま」ね。

 

意外性だと「DISTANCE」は良かったですね。

この曲は2ndアルバム『Distance』に収録のオリジナルバージョンの他に、リアレンジしたうえでシングルカットされ、3rdアルバム『DEEP RIVER』に収録された「FINAL DISTANCE」バージョンなど複数のバージョンが存在します。

 

ですが今回演奏されたのは、「FINAL DISTANCE」のシングルにカップリングで収録されていた「m-flo remix」バージョンに近い、アップテンポなエレクトロポップ調のライブアレンジ。途中まで何の曲か分かりませんでしたよ。

 

声の調子の方は、序盤は若干声が出きっていない感じがあったんですが、5曲目あたりからは本調子になってきてパフォーマンスにも余裕が出てきた感じがしました。

 

さすがに舞台演出とか映像演出も凝っていて、特に「誰かの願いが叶うころ」での映像演出は素晴らしかったです。

 

あなたの幸せ願うほど わがままが増えてくよ

あなたは私を引き止めない いつだってそう

誰かの願いが叶うころ あの子が泣いてるよ

みんなの願いは同時にはかなわない

 

重くてシリアスな楽曲ですが、白いスモークの中にいくつも黒い人影が浮かび上がり、それが一つずつ消えていく演出には鳥肌が立ちました。

正直ライブで聴くまでそこまで好きな曲じゃなかったんですが、この日以降は個人的な評価が爆上がりしましたね。

 

「誰かの願いが叶うころ」の演奏後はメンバーが一旦捌け、幕間の映像が上映された後、5分ほどしてメンバー再登場。

以降は2016年の活動再開以降の楽曲が演奏されました。

 

休止以前に比べるとJ-POP的なキャッチーさは若干減退しましたが、サウンドやアレンジの作り込みに一気に芸術性が増し、海外からの評価を急上昇させた時期の曲。

終盤のパフォーマンスは本当に圧倒的でした。

 

中でもライブ通してのハイライトになったのは「花束を君に」。

 

この曲の演奏前のMCでは、ツアータイトルであるベストアルバム『SCIENCE FICTION』が自身のデビュー25周年を記念したものであることに触れ、自身の曲を聴き続けてくれているファンへの感謝を述べていました。

そして、「万感の思いを込めて」と語り演奏された「花束を君に」。

 

この曲は2016年の活動再開の第一弾としてリリースされた楽曲ですが、当時のインタビューでも語られている通り、自ら命を絶った自身の母親に捧げられた曲です。

 

花束を君に贈ろう

愛しい人 愛しい人

どんな言葉並べても

君を讃えるには 足りないから

今日は贈ろう 涙色の花束を君に

 

両手でも抱えきれない

眩い風景の数々を ありがとう

 

これらの言葉は宇多田ヒカルが母親の死を乗り越えるために、前に進もうと気持ちの整理をつけるために綴っていったものです。だから花束は「涙色」だし、楽曲も基本的には明るいのですがどこかもの悲しさを感じるものになっています。

 

しかし、先のMCの後に歌われるこれらの詞はどうでしょう。

 

花束を贈る相手である「君」は、亡き母親から会場に足を運んだファンに、

そして「涙」は、死者との別離の「涙」から、ファンと喜びを分かち合う「涙」へと意味を変えているのです。

 

制作当時は意図になかった形ですが、「時」と「場所」というコンテクストによって楽曲に新たな命を吹き込まれる瞬間を目の当たりにし、本当に感動しました。

 

ライブの最後は鉄板の「Automatic」で終演。

今この時代に宇多田ヒカルの「Automatic」を現場で生で聴くことができることって、体験それ自体の価値が計り知れないんじゃないでしょうか。

 

さすが、というか圧倒されっぱなしの2時間半でした。

 

 

Set list

 

01. time will tell
02. Letters
03. Wait & See ~リスク~
04. In My Room
05. 光
06. For You
07. DISTANCE
08. traveling
09. First Love
10. Beautiful World
11. COLORS
12. ぼくはくま
13. Keep Tryin’
14. Kiss & Cry
15. 誰かの願いが叶うころ
16. BADモード
17. あなた
18. 花束を君に
19. 何色でもない花
20. One Last Kiss
21. 君に夢中

En.1 Electricity
En.2 Automatic

 

 

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今回見た2組のライブは、偶然ですが、かたや特別な演出もなく楽曲と演奏の熱量だけで感動的なライブを成立させてしまうユニゾン、かたやモニター映像や舞台装置など練りに練られた演出でライブをハイクオリティなエンターテインメント空間にしてしまう宇多田、と好対照を成していました。

 

どちらもそれぞれのポリシーを感じることができる、素晴らしいライブでした。

 

 

以上。

 

 

 

それではまた~