ロマチェンコ vs リゴンドウ

ボクシングに限らず、全てのスポーツでもその技術は日進月歩。
陸上競技や水泳の世界記録が更新され続けているのもその証。
つまり、ボクシング史上最強のボクサーは現代のボクサーだと僕は思っています。
大まかに言えば、アリ < タイソン < クリチコということです。

そんなボクシング史上最高の技術戦が展開されました。

一見、ロマチェンコがリゴンドウを圧倒したように見えますが、この6R＝18分はとても濃密な、この二人にしか構成しえない究極の試合でした。
ロマチェンコのスピードがリゴンドウをコントロールしようとし、リゴンドウはカウンターを狙う。
ラウンドを重ねるごとにロマチェンコのスピードが圧倒し始めるものの、全て軽いパンチなのでリゴンドウのダメージは無く、リゴンドウはロマチェンコの一瞬の隙を狙う。そして、それを感じているロマチェンコも気を抜くことはない張り詰めた展開でした。
高度で多彩な両者の攻撃とそれを当てさせないディフェンス力。
本当にこの二人にしかなしえない攻防でした。
繰り返し見ても、何をどうやっているのかわからない。

ポイントは全ラウンドロマチェンコでしょう。
しかし、何が起こるかわからない五分の戦いだと感じていました。
そんな際に突然のリゴンドウのギブアップ。
怪我だとの事ですが、残念で仕方ありません。
もし、リゴンドウの心が折れたのであれば、究極の技術を知るリゴンドウにしてもロマチェンコは手の打ちようがない相手だったという事です。

ロマチェンコにとっておそらく過去最強の相手がリゴンドウだったのでしょう。
その最強の相手に対し、究極に仕上げたロマチェンコはボクシング史上最強完成形のボクサーでした。
そして、近い将来、その最強完成形を上回るボクサーが現れるはずです。

ボクシングマニアにとって至福の時間でした。