紅色道楽 -24ページ目

ラビリンス/魔王の迷宮

☆あらすじ

主人公のサラは義母とうまくいっておらず、お芝居ごっこをして一人遊ぶ日々を送っていた

ある日家庭内でうまくいかない苛立ちから、弟のトビーをどこかに連れていって欲しいとお願いしてしまう。

それを聞き届けた異界の王は弟を攫うが、サラはすぐに反省し弟を取り戻す旅に出ることに…




NHKの人形劇のような、明るく子供向けな印象のファンタジー。

1986年公開の作品なのでまだCGの技術も発達しておらず

実写とCGが馴染んでいないが、それがまた味になっている。


一部これは幼児が見るには若干怖くないか?と思われるシーンがあるが

ほぼ全編にわたってほのぼのとした冒険となっている。


シンプルなストーリーだが

サラが問題に直面するたびに

お助けキャラが哲学的なアドバイスをするシーンが多く、

強いメッセージ性があると言える。


サラが毒の桃を食べ、

自分の居心地の良い部屋の幻想に飛ばされてしまった時に

今まで大事にしていた人形を「くだらないものばっかりだわ!」と言って

投げつけるシーンは、じーんとくる


王が最後にサラのためにやっていたことを明かすところからして

あのゴブリンたちの住む異界は、サラの大事にしていた夢や空想、

子供っぽさの具現化したものなのだろう。

異界を脱したサラは弟にぬいぐるみをあげるが

これも夢を与えてもらうばかりだった子供時代を抜け、与える側に近づき大人になったということだ。

それを踏まえてみると

最後のシーンは単に後味の良いハッピーエンドにするためでなく

大人になっても人のために尽くすだけでなく

夢や自分を愛してもいいのだというメッセージが込められているのであろう。