ほな、話して。


うん、、、

、、、わたしね、実は結婚してるの。


え?、、、、
マジ?
嘘やろ?
いくらなんでも、悪い冗談やで。


冗談でも嘘でもない。ほんと、だよ。
ごめんなさい。
ただ結婚はしてるけど、籍だけ入ってるって言う状態。
離婚しなきゃ、とは思っているけど
行動に移してない。


ザッと、かいつまんで話した。

旦那とのいきさつと、今までのこと。
Kくんと付き合っていたこと。
病気が原因で別れたこと。
ハワイは傷心旅行だったこと。


そして

Kくんを忘れたくて
千里ちゃんといるのか、
わからない、、、と。

千里ちゃんといると
楽しいし、たくさん元気をもらえる。

電話も、デートも、楽しみにしていたし。
好きなんだと、思う。

ただ、
わたしは既婚者、だということは
変えようがない事実で。


何を言っても、嘘くさかった。



惚れたオンナにダンナがおった、ってことやな。



千里ちゃんはそう言ってしばらく黙っていた。


ふたりでしばらく沈黙。

チェックアウトの時間が迫っていた。


そろそろ時間だよね、

支度しなきゃ、、、



せやな。



服を着て、二人、部屋を出る。



送るわ、家まで。


大丈夫、帰れるから。


そんなん、あかん。
いいから。送るわ。


手を繋がれる。


タクシーが来た。



楽しかったハワイ、帰国してからも
千里ちゃんにたくさん、楽しませてもらった。
元気も笑顔ももらった。

でも、それは所詮、人の力を借りてるだけ。

わたしが自分で立つことをしていない。

まっちゃんちの水槽のクラゲを思い出した。
そして、まっちゃんに後悔するくらいなら当たって砕けろ、って偉そうに説教した。

わたしは、何もかもから、逃げているだけだ。


千里ちゃんはわたしに


ごめんな。
これから先には進まれへん。


手をぎゅっと握られた。


わたしこそ、ごめんなさい。
最初に話すべきだった。
ほんとにごめんなさい。


ええよ、
ハワイで楽しい夢見た、ってことにするわ。


騙すつもりなんてなかった。
けど、結果は傷つけることになって、、
本当にごめんなさい。



タクシーを降りる。


元気でな。またどっかで会うかもしれへん。


うん、職場、近いからね。
千里ちゃんも元気で。
さよなら。


ほなな。



わたしはKくんにもう一度、会うことを決めた。