飛んだ騒動を引き起こした週末、
バイトくんとまたデート?だった。
オレ、って言うのを聞いて
なんだかちょっと意識したなぁ。なんて
考えていた。
今日は連れて行きたいところがあるんです
バイトくんはそう言って車を走らせた。
渓谷だった。
川が綺麗で、水が澄んでいて。
マイナスイオン、たくさん、みたいな。
癒し、だなぁ。
疲れたでしょう?
今週は特に
なんで?
(嫌な予感、、笑)
この、ハゲ!だもん
知ってるの⁉️
多分みんな知ってますよ。
営業部の〇〇さんが言ってたから。
めちゃウケてましたよ
ったく、どこまでこんな話が広がってるんだろ
しかし、〇〇さん
やりますね
もう、勘弁して。その話は
そうそう。先日の写真、持ってきたんです。
ほうとうデートの写真だった。
なんだか〇〇さん、
寂しげなんですよ、どの写真も
そう言われてみると、たしかにそんな感じだった。
ボクとでは、楽しくないのかなって
思ってしまいました
そんなこと、ないよ。
わたし、写真嫌いだって言わなかったっけ?
それはウソ。
だって、まーちゃんとも、Kさんとも
Uさんとも、わたしは美人じゃないけど
それなりの笑顔で、写真に写っていたから。
なぜ、寂しげに写るんだろう。
決してバイトくんといて、楽しくないわけないのに。
多分、
まだ、前の彼氏さんがいるのかな。
〇〇さんの中に
それは誰なんだろう。
まーちゃん?Kさん?Uさん?
わからない。
それはないよ、もう終わったことなんだから
バイトくんは言った。
オレじゃだめですか?
不意に手を引かれ、バイトくんに
ハグされる。
ちょ、ちょっと❗️
オレ、やっぱり弟ですか?
バイトくんにハグされたまま、
わたしはただ、川の流れる音を聞いていた。
返す言葉が見つからなかった。