我が国の社会は諸外国と比べればこの世の楽園とも、また人類にとって至高の社会とも言えると思いますが、それは諸外国と『比較的』に言える事です。
諸外国と比較すればこの世の楽園かもしれませんが、そもそも諸外国と比較する姿勢に疑問を感じます。

我が国は2600年以上にも及ぶ皇室を中心とした社会が脈絡と続いており、世界に類を見ない立場ですから、諸外国と比較する事自体が我が国にはそぐわないと思います。
諸外国と比較するのではなく、唯一神話に基づく国王を持ち続けている、人類を先導する立場として我が国はどうあるべきか、そういう感覚で眺めてみたいのです。

そういう目で我が国を眺めた時、人類を先導する立場であるにも関わらず、その責任感の無さ、或いは2600年以上もかけて積み重ねた暮らす知恵が崩壊している事実が見えてきて、哀しいかな絶望感さえ禁じ得ません。

その現状はもちろん敗戦に起因しています。
ですがアメリカ、韓国に責任を擦り付けると同時に、自分達の自覚と責任、人類の先導役としての姿勢の有無にも目を向けないといけません。

先ず家庭。
親や兄弟、そして親戚が一丸となっているかどうか。
できていなくても構いません。
私もできていません。
個人の話ではなく日本社会として、我が国の家庭はどうあるべきでしょうか。

一つ一つの家は今の感覚で言えば大豪邸であり、そこには自分と妻と子だけでなく、自分の両親と父方の祖父母、更には自分の兄弟夫婦とその子も同居している大家族が存在し、いさかいもありつつ、互いがそれぞれの役目を果たして協力し合う、そういう家庭が先ず前提かと思うのです。

よく「自立」なんて言葉を使います。
親元を離れて自活する状態を指した現代日本特有の概念です。

そうではなく、我が国では元々「大人になる」とは、一家の大黒柱になる事を意味していました。
妻子だけでなく両親と祖父母を養う事が、我が国で言う本来の『自立』でした。
両親、祖父母に目もくれず、自分達夫婦と子供だけを養うのは、男としての役目の放棄ですし、夫、夫の両親、夫の祖父母の面倒も見ずに子供にエサだけ与えて自分は働きに出るとは日本人女性としてあるまじき、極めて我欲に満ちた我儘です。

一家の大黒柱たる成人男性を雇用する会社は社員をナメたような賃金ではなく、一家を支える者を雇用しているのですから利益が出れば内部留保などという最も保身的な姿勢を持つのではなく、社員には賃金として、下請けには下請けが成り立つ程の仕入価格として放出し、また、その為に、より多くの利益を求めて設備投資していくのが常でした。
雇用主と被雇用者という契約的関係ではなく、下請けと親会社という契約的関係でもなく、企業そのものが村であり、関わる下請け会社も含めて村であり、社長たる村長を中心に、互いに持ちつ持たれつの関係を保ち、経営陣は社員の為、社員は会社の為に働き、親会社は下請けのおかげで成り立ち、下請けは親会社のおかげで成り立つという、そういう心の繋がりで成り立っていたのが我が国の社会でした。

労働組合って何ですか?
リストラって何ですか?
入札制度って何ですか?
内部留保って何ですか?

それって我が国の企業の姿ではありませんし、社員の姿ではありませんし、下請けと関わる姿でもありません。

市場原理主義だと?
高々200年程度の歴史しかない欧米型資本主義社会を、世界を先導する立場である我が国が受け入れようとしているからややこしくなる。
この場所に店舗を出したら何軒かの商店が潰れるから、共存共栄の日本精神に反するから、それはできない。
それが我が国の国民性というものです。

ダイエー、今で言えばイオングループ、こんなものは言わば破壊者です。
一体何人の商店主を殺せば気が済むのか。
その家族を何人殺せば気が済むのか。
我が国の社会に馴染まない、あってはならない経営手法です。

入札制度だと?
子会社、孫会社のおかげで成り立っている感謝の心は捨てたのか。
そうだとしたら私達日本人とは別の生き物だ。
鬼だ。
悪魔だ。
談合により適正な価格で仕入れて初めて親会社も安定するし、関わる子会社、孫会社も潤うし、そこに働く一家の大黒柱も大黒柱足り得るのに、入札制度を持ち込むとは我が国の社会を破壊するつもりか。

そう言いたいのですが、残念ながら我が国は世界を先導すべき立場にありながら先人の蓄積してきた知恵と仕組みを破棄し、欧米型思想を「グローバルスタンダード」とかぬかして受け入れ、我が国の精神文化も社会も家庭も崩壊しつつあるのが現実です。

私が仕事を受注している会社の内の一つは入札制度の餌食になり、私達に支払われる手数料を3割以上減額しました。
アベノミクスってったって、そんなものの効果なんか絶対にありません。
市場原理主義があり、入札制度がある限り、我が国の国民が潤う事は断じてあり得ないし、ましてや大黒柱たる男は必ず絶滅する。
我が国特有の精神を持った経済社会も家庭も崩壊し絶滅する。
哀しい現実です。

安倍晋三でダメなら田母神俊雄に首相になってもらいましょうか。
根深い現実だと痛感するところです。