今更書くこともないのでしょうが、ずっと聴いてきて思っていた事をぶちまけてみます。


なんて言っても限られた人しか見てないでしょうから、結局自己満足なんですけどね。


私の自己満足は私という人間が生きた軌跡です(意味不明)


Dream Theater
Metropolis Part 2: Scenes from a Memory

曲目

1. Regression

2. Overture1928

3. Strange Deja Vu

4. Through My Words

5. Fatal Tragedy

6. Beyond This Life

7. Through Her Eyes

8. Home

9. The Dance Of Eternity

10. One Last Time

11. The Spirit Carries On

12. Finally Free


見て頂ければ分かるとおりというか、最早ロックファンなら知っているだろうというような傑作アルバムです。


やっぱりDTはMetropolisのバンドなんだなぁ・・・とつくづく思います。個人的にはこのアルバムが現時点での彼らの最高傑作ではないかと思っています。


前置き

"Images And Words"の"Metropolis Part1: The Miracle And The Sleeperは序章に過ぎなかったのかと思わされるくらい圧倒的なボリュームで語られている。このアルバムは12曲から構成されているんではなく、アルバム1枚で1つの曲であり、正しい言い方をするならば、1つの曲をアルバムに収録するという都合上、12のパートに区切ったとするべきである。つまりこのアルバムは1番から聴き始めると12番まで通しで聴かなければならない。それがこのアルバムにおける鑑賞のルールだと思う。


コンセプト

輪廻転生というのがテーマになっている。ストーリーラインとしてはこうである。

別の人生の夢にうなされていたニコラス青年はセラピストの催眠術によって彼の前世がヴィクトリアという少女であったと知ることになり、彼女が若くして惨殺されたことを知る・・・

ストーリーラインからも読めるようにサスペンス性を盛り込んでいて楽曲の展開もスリリングなものがある。カルト臭いと言われれば、その人にとってはカルト臭いのかもしれないが。「恋愛を絡ませたサスペンス劇が陳腐だ」と言われれば、その件には否定し難い。


此処で少し脱線するが、「輪廻転生」というのは不思議なもので一部の国でのみ信じられているものではないようなのだ。日本人なら仏教について知っているだろうが、仏教の思想の中には「輪廻転生」描かれているのだが、実は基督教圏であるアイルランドなどでも「輪廻転生」は語られていたりする。また、最近では前世の記憶を持つという少女が出てきたり(確かアフリカ)、前世治療という催眠治療(正にこのアルバムに描かれているのだが)も俄に注目を集めている。これらの事から不思議な事に人間の世界にはこの「輪廻転生」は昔から付いて回っているようである。「科学こそが全てであり、科学的に証明されない事は有り得ない」とは思っていない私だからかもしれないが、個人的には興味深い事象の一つだったりする。


楽曲

"Metropolis Part1"の旋律の幾つかを絶妙に盛り込み、続編である事を示している。また、そのメロディラインが「こんなにいいものだったのか!!」と思わせるような見事な料理の仕方がされていたり、更に言うとその部分では前作と対比させるかのような歌詞も並べられており、真に妙だと思う。"The Dance Of Eternity"でも前作の一部を被せたり、曲に盛り込んでいてそれでも見事に整合性を保っておりこの点も実に妙。


"Metropolis Part2"では各パート毎にしっかりと耳に残る旋律が配されていて、その点の作り込みは見事だと思う。また、アルバム全体の整合性も絶妙。その例を挙げると・・・11曲目の"Spirit Carries On"の旋律の一部を先に1曲目の"Regression"で配している点。全体の流れとして盛り上がる部分と次の盛り上がる部分の間にバラード曲を配して落ち着かせている点・・・などだ。非常に綺麗な楽曲の配置だと思う。前者はこの"Metropolis Pt.2"で重要な曲である"Spirit Carries On"を自然に聴かせる役割を果たしていると思われ、この事は「一度何処かで聴いた旋律に人は惹かれる」という特性(これは恐らく一度耳にしていることによって安心感を持つのだと思われるが)を利用しているように思えて、実によく計算されている。後者はリスナーを飽きさせない、計算された配置だと考えられる。


そしてラストである"Finally Free"。惨劇を見事に音で描き出している。或る意味「衝撃のラスト」だと思う。"Spirit Carries On"でエンディングだと思った・・・所でアッと驚かされる訳である。そして"One Last Time"へ。実は"Spirit Carries On"の前で"One Last Time"を聴かされているので、此処での挿入も緻密な計算に基づいている。その後現世へ。タイトル通り"Finally Free"。見事に作り込まれたラストだと思う。


アンサンブル面では全てのパートが実に均整が取られており、出しゃばり過ぎ感がない。また作品製作時点で新加入であったJordan RudessのKeybordがやっぱりいい味を出している。


まとめ

計算し尽くされた流れ、作り込まれた旋律、前作要素の絶妙な盛り込み、各パートの均整・・・緻密な計算と全体の整合性は正に「完璧!!」だと思う。


…と此処まで書いておいて、実は初めて聴く方には曲順もこの詰まらない自己満足の評も見ないまま聴いて頂きたい。きっと驚くべき感動があなたを待っているだろうから。