今から10年程遡りますか。私が初めてCompact Diskなるものを手にしたのは。丁度私が小学5年生か6年生くらいの時です。1995年あるいは1996年だったか。

実は小さい頃から音楽番組なんかは、そうですね、小学2年生くらいの時にはミュージックステーションとか見ていた気がします。1993年頃にはテープでアルフィーとか鈴木雅之とか入ったの聴いてましたね。でも、CDを初めて買ったのは結構後なんですよ。

その初めて買ったCDというのが”Final Fantasy -Pray-”というCDだったんですね。実はこのCDを手に取る以前には色々とあって、もともとはCDショップにその時熱中していた”Final FantasyⅥ”のサントラを買いに来たんですよ。ところがそれがなくてこのCDを手に取ることになったんです。いや、今となってはこのサントラではないCDを買うことで色んな音楽に出会えたような気がしますね。

このCDは全編に渡って、大木理紗女史のヴォーカルが凄い。更にアレンジも非常に緻密で素晴らしかったのを覚えています。何より2曲目のFFⅡのメインテーマのアレンジに驚かされました。いきなりフルートのソロフレーズから始まるんですよ。これにはぶったまげましたね。こんな曲の始まり方があるのか、と。この衝撃。今でも忘れられません。もうこの時点で私は制作者に手玉に取られたんでしょうね。私としてもこのCDは今尚お気に入りの一枚なのです。あれから10年経った今でも恐らくこのCDを聴いてぶったまげる奴は間違いなく居る。「ゲーム音楽なんて・・・」と思わずに一度聴いてみることをオススメします。


ゲーム・ミュージック, 大木理紗, 木下勝彦, みつとみ俊郎, YU-PA, 山吹理々子, 篠崎正嗣, Claudio Ramos, 中村善郎, 植松伸夫
ファイナル・ファンタジー ~ヴォーカル・コレクション 1 PRAY

[曲目]
1. Prelude

2. The Promised Land

3. Mon P'tit Chat

4. 時の放浪者

5. 光の中へ

6. Esperanca Do Amor

7. Voyage

8. Au Palais De Verre

9. Once You Meet Her

10. Pray

11. Nao Chora Menina


って感じですが、FFファンに分かり易く書くと、


1. プレリュード

2. FFⅡのメインテーマ

3. 思い出のオルゴール(FFⅤ)

4. ティナのテーマ(FFⅥ)

5. 愛のテーマ(FFⅣ)

6. 親愛なる友へ(FFⅤ)

7. 果てしなき海原(FFⅢ)

8. マトーヤの洞窟(FFⅠ)

9. 水の巫女エリア(FFⅢ)

10. FFのメインテーマ

11. 街角の子供達(FFⅥ)


ですが、どれもアレンジが掛けられていて聴いてみれば意外な感じもするんじゃないかな。本当にアレンジが冴え渡っています。


①アカペラになってます。もうこの時点で大木理紗女史のヴォーカルの素晴らしさを分かってもらえるんじゃないだろうか。


②先に書いたとおり、いきなりのフルートに圧倒されます。そうなってしまったらもう思うツボかも。


③原曲知ってる人にとっては割と意外かもしれない。


④まぁ、そうなるかな、という感じのアレンジですが、良い曲には変わりない。というか、この曲昔から好きなんですよね。FFⅥのゲームを良く表しているような気がして。一人の所からどんどん人が集まって行って、最終的には14人くらいでしたっけ、それくらいなるんですよね。その辺のストーリーがしっかり曲の中に盛り込まれている気がするんですよ。これは一番原曲に近い感じで収められているかもしれませんね。


⑤バラード。そして原曲とも近い感じで収められていると思います。ヴォーカルの力は凄いですね。


⑥これはかなり意外かもしれない。まさかあの曲がこんな風になるとは。でも、俺はひょっとしたらこっちの方が好きかも知れない…。あのスローテンポのまったりゆったりな曲をここまで軽快にしてしまうなんて。ボサ?俺もまだまだ開拓しないといけないところがあるから何とも言えないが、意外なくらい軽快だけど、そこが実は最大の魅力。


⑦原曲を知らないから何とも言えないが、日本語の詞の曲としては⑤と同じくらい魅力的です。ホント歌上手いよなァ、この人。


⑧これも意外なアレンジでしょう。⑥と同じくらい原曲を知ってる人は驚く筈。この手の曲ってひたすらリピートしまくってても、疲れないよね。不思議な事に。豊富に展開がある曲って訳でもないのに何度も聴きたくなる曲です。昔、絵を仕上げる時によくこれをリピートしまくってましたよ。


⑨原曲の雰囲気をよく残した曲です。俺としてはこっちの方が聴き易い気がします。しっかり歌メロが構築されている。この雰囲気、これがファイナルファンタジーって気がします。最近こういう感じから離れつつありますが。


⑩メインテーマ。そのままです。やはりここでも、大木理紗女史のヴォーカルに圧倒されます。


⑪いいねぇ。こういうギター好きなんですよ。こういうアルペジオに惹かれてフィンガーピッキング始めたんです。フィンガーで弾くの好きなんですよ。特にフィンガーで弾き語りなんてすると自分の世界に入ってしまいますね(馬鹿。原曲の雰囲気には近いと思います。これが「街」ですよね。ヨーロッパの街が連想されます。



実はこの大木女史、Mr.シリウスのヴォーカリストだったんですね。私はその後ちょっとしたキッカケからIONAというケルトロックバンドにハマることになるんですが(IONAに関しては過去の記事に取り上げてあります。)、その関係でMr.シリウスというバンドを知ることになるんです。そのヴォーカルがなんと大木理紗女史!!ということで色々聴いた後に結局原点に帰って来たという・・・。あの強烈なインパクトを残したフルートフレーズはきっとKing Crimsonなどの影響なんだろうな、と最近よく思います。

現在、ネットワークの普及などで大量の情報が流れていますが、実は昔より本当に良いものにありつき難くなっているんじゃないかと思えて仕方ありません。(でも、実は探していけば、良いものは確実に出回っているものです。そしてネットワークの普及がそれを手に取り易くしているのです。要は探すか探さないか、その違いなのです。「求めよ、さらば与えられん。」ということだと思います。)そこら中で垂れ流しにされる商業的ニオイのプンプンする音楽にやられてしまっているんじゃないでしょうか?私は音楽のビジネスとしての成功とその作品の質の高さは必ずしもイコールとならないと思っています。