昨日、映画「アレキサンダー」を蛇と見に行った。噂では政治面を中心に描かれていて戦部分とかそういうアクション部分は少ないとかいう話ではあったけど、結構戦シーンもあった。蛇曰く「何か物足りない感じだった。」そうだ。確かに何か物足りないと言えば物足りないのかもしれない。あの映画は所謂伝記的な構成で成り立っていて、アレキサンダーが子供の頃から描かれ最後は無くなる所まで描かれている。一つのメッセージ性の元に描かれているというのじゃなくて、その人物を描くといったストーリーになっていて、切り口がアレキサンダー死後に彼の一生を見てきた老人が彼の真の姿を分析しつつ語り、そして老人の回想を組み合わせた額縁方式になってる。だから、映画に強いメッセージ性を求める人からすると全体から伝えるメッセージ性が薄くなり、「何か物足りない感じ」なのかもしれないと思った。
同じ「人物を描く」というスタイルで作られた映画では邦画の「壬生義士伝」がある。日本アカデミー賞とかで知ってる人も居ると思うが、新選組の諸士調役・監察であった吉村貫一郎を描いた作品だ。浅田次郎氏の原作や同名のドラマに比べて映画では吉村貫一郎の人生の一部分を切り取った形で描かれている。映画として必要なところを切り取ってくっつけた感じ。それを同じ新選組だった藤田五郎(斎藤一)と地元での吉村を知る者とを対談させて描くと言った形。こちらは「守銭奴」などと呼ばれ金に細かい田舎侍が、実は「誠の武士であり義士であった」ということを伝えるものになっている。その人生の中に含まれるメッセージ性を強くするように必要な所を切り取っている形である。

どちらがいいかは好みによりけりだけど、もししっかり記憶に残るような作品を描くのなら一貫したメッセージを映像の中で語り上げる形の方がいいのかもしれない。

どうでもいいけどアレキサンダーに出てきた象兵部隊滅茶苦茶強い。マジで。古代戦だったら象兵部隊って最強じゃないのかな。あの質量に丈夫な皮、そしてあのスピード、高さ、鼻や尻尾のリーチ、そして脅威の牙。更にその上の櫓に居る兵団。あの高さから繰り出される弓矢や長槍による攻撃。軍事・戦術に詳しいY氏曰く「戦闘の要素である攻撃・防御・機動の全てを満たしている。」そうである。ハンニバルや中国の南蛮も使ってたそうな。
ついでにエイジオブエンパイアというPC用シミュレーションゲームでは象兵団は最強らしい。