前回の続きです。

２つ目の質問

新型コロナウイルス感染症に対応するための支援体制について

この質問は、一人暮らしの高齢者や身体が不自由な方などをはじめ、徒歩以外に移動手段をもたない方々が発熱などの感染症状が出た時、町が移動手段の確保を支援してあげられないのかを聞いたものです。

タクシーなどの公共交通機関は必ずしもコロナ陽性者に対応してくれるとは限りませんから。

答弁では、親族や知り合いの自家用車等で受診するようにアドバイスしているとのことでした。

また、これまで以上に町民に寄り添った対応に努めて参りますと言うにとどまり、町としての支援については明言を避けた形となりました。

寄り添った対応をすると言うのであれば、考えられる支援策をいくつか例にあげるなどして、何かしらの支援策を検討するとの答弁が欲しかったです。

3つ目の質問

公立野辺地病院移転建設に関する町の考えについて

新聞報道によれば、公立野辺地病院を駅周辺に移転し新たに建設するという構想とのことで、これには多額の費用を要することは容易に推測できます。

公立野辺地病院は、野辺地、横浜、六ヶ所の３町村で構成される北部上北広域事務組合に属する病院であることから、各町村からの建設費用負担は必須であります。

このことから、病院独自で建設等に関する検討を進めるのではなく、構成町村の意見を聞きながら計画を進めるべきと考え質問に至りました。

答弁は、「新病院建設基本構想・基本計画策定委員会」は北部上北広域事務組合管理者である野村町長の諮問機関として設置され、諮問した野村町長が委員会に出席することは適切ではないことから、野辺地町からは江刺家副町長を派遣したとのことです。

また、委員会で検討している内容等については、委員会からの答申があってから構成町村で協議することになることから、現段階での答弁は差し控えたいということでした。

野辺地町の負担割合等を考えれば、建設費などについての町としての意見を伝えて欲しいし、町としての意見をまとめるためには、たとえ検討段階であっても議会に対してその内容を説明して欲しかったです。

残念ですが、ここでも議会軽視という印象を受けました。

4つ目の質問

緊急情報の周知伝達手段について

多発する自然災害や、懸念される巨大地震をはじめ、緊迫した世界情勢の中において、非常時における緊急情報伝達は最重要課題であることから、原子力防災訓練時に使用された横浜町の訓練メールを例にあげ、現在の手段だけではなく、メールやLINEなど複数の手段を用いた伝達方法の構築が急務であると考え、質問しました。

これに対する答弁は、現在は防災行政無線とホームページの他、複数の手段で発信している。他にも携帯電話会社と協定を結んでおりエリアメールとして情報発信することが可能となっている。

LINEなどについては、新庁舎建設に伴い防災無線システムを新しくすればオプション機能として利用可能になるが、費用が掛かることから効率やコストなどを考慮して採用するか否かを検討するとのことでした。

新たなことを始めるには費用がかかるのは理解できますが、その費用をかけるに値する事業かどうかの判断が重要であると考えます。

町民の安全・安心を最優先に考えるのであれば、庁舎建設に3億円もの建設費を追加するより、このような事業に財源を投入してほしいと思いました。

加えていえば、令和3年度は4億円近い黒字となったのですから、そこから捻出しても良いのではないかと思っています。

緊急事態に備えること、ここにお金を惜しむ理由はないと思います。

5つ目の質問

令和3年度決算について

決算において監査委員が決算内容を見るわけですが、その監査委員の意見は「実質収支は黒字で、経常収支比率も改善し91.3％となったが、依然として厳しい財政状況であり、今後は庁舎建設費や借入返済などの支出が予定されていることから、財源不足の状況が続くと予想される。」という内容であり、さらに財政課の所見では「経常収支比率は、経常一般財源である地方交付税の増加等により改善した」としており、「3年度は地方交付税の追加交付があったことや今後は減少傾向となる可能性を考慮すれば、今後も十分な注意が必要である」とのことです。

つまり、たとえ黒字になり経常収支比率が改善されたとはいえ、喜んではいられない状況であるという危機感から、今後の財政運営のあり方について質問しました。

答弁は、これからも財政健全化に取り組むことなど、やるべきことは変わらない、町民サービスを維持、向上していくよう努めるとのことでした。

残念ながら、この町長答弁からは危機感が感じられませんでした。

財政課の所見にもあるように、令和3年度は地方交付税が例年よりも増額されたことによって、経常収入が経常支出を上回りました。

経常収入と経常支出が同額の場合に100％ですから、91.3％ということは8.7％の余裕があったということ。

数字を実際のお金にすると、標準財政規模を4000万円と考えれば、それの8.7％ですから3億4800万円の余裕があったということです。

実質収支額は3億9300万円ですから、黒字のほとんどは経常収入である地方交付税の増額が要因だったと考えられます。

例年よりも増額された地方交付税が例年並みに戻ってしまったら…

地方交付税は令和2年度と比較していくら増額されたのかを見てみます。

令和3年度の地方交付税（普通交付税）は24億6945万円

令和2年度の地方交付税（普通交付税）は21億4106万円

令和元年度の地方交付税（普通交付税）は20億3707万円

2年度との差は3億2839万円

元年度との差は4億238万円

この差額は経常収支比率の8.7％である3億4800万円に近い値であることがわかります。

ということは…

地方交付税が例年通り（仮に令和元年度の額）に戻ってしまうと約4億円（経常収支比率にして10％）も悪化してしまうことになります。

地方交付税は町が決められるものではなく、国の予算額によって大きく変わる可能性があるものです。

つまり、この収入に頼って財政運営をすることは危険であるということ。

これがボクが感じる危機感です。

「資材価格等が高騰しているから庁舎建設費を増額することは仕方がない」と安易に考えて決断するのではなく、価格が安定するまで様子を見るという判断が必要であったと思います。

4億円の予定価格増額は、借入額を増やせばよいだけなので簡単にできます。

（実際には3億円の建設費増額でしたが）

でも、それに伴って返済額が増えることを考慮する必要がありました。

増額した3億円を20年で返済するとなれば、単純に年間1500万円の返済額が上乗せされます。

つまりは何か

毎年1500万円の事業ができなくなることになります。

これは町民サービスの低下を招くことに直結するのではないでしょうか。

1500万円あれば、冬の除雪費を増額して排雪の回数を増やすとか、給食費を値下げするとか、サービス向上につながったかもしれませんね。

いまさら庁舎建設の話を持ち出しても何にもなりませんけどね。

これと同様に小学校建設にも影響があると思います。

将来的には町立体育館や給食センターの建設、その他の施設整備にも影響がでます。

庁舎建設、これ一つだけに注目して事業を進めるか否かを判断したから、簡単に建設費増額に踏み切ったのかもしれません。

野辺地町の公共施設の多くは老朽化が進んでいます。

比較的新しい健康増進センターも、河川氾濫による浸水地域にありますから、いずれは移転する必要があることは否定できません。

あらゆることを想定して事業を進めるべきです。

何をするにも必要なのが財源です。

町民の皆様が小学校建設のお手伝いをするとか、町の事業をボランティアで支えてくれるのでしたら話は別ですが…

限りある財源をいかに有効に使って町政運営するかが最重要課題であると思います。

ということで、一般質問の内容と、それに対する町の答弁でした。

最後までお読みいただき　ありがとうございました。

12月定例会での一般質問 その２

12月定例会での一般質問　その２