去る12月8日、野辺地町議会12月定例会において一般質問をしました。

ボクが事前通告した質問は５つ。

・新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の使い方について

・新型コロナウイルス感染症に対応するための支援体制について

・公立野辺地病院移転建設に関する町の考えについて

・緊急情報の周知伝達手段について

・ 9月定例会で認定された令和3年度決算について

質問内容は下記↓の通告書をご覧ください。

これら質問のうち、今回は地方創生臨時交付金の使い方についてをお話したいと思います。(議会前の投稿とかぶりますが)

まず念頭におくべきこと、今回の交付金事業において国が掲げる重点支援項目は「電気・ガス・食料品の価格高騰により影響を受けている国民の支援」であるということです。

↓以下は内閣府地方創生推進室から各地方自治体に向けた事務連絡の内容です。

https://www.chisou.go.jp/tiiki/rinjikoufukin/pdf/220909_jimurenraku.pdf

ボクがこの交付金の使い方（プレミアム商品券事業）を質問として取り上げた理由は大きく３つ。

・この事業について委員会での説明はあったものの、議会での議論がなされないまま町長の専決処分として決定、実行されるに至ったこと。

・商品券では電気料金が支払えないことから、重点項目である「電気・ガス・食料品高騰による影響を支援する」ことに直結していないこと。

・ 商品券を購入できた人だけが国の支援を受けられ、購入できなかった人は国の支援を受けられないこと、野辺地町に交付された交付金でありながら町外の人でも商品券を購入できることから、町外の人が野辺地町の交付金を利用でき公平性に欠ける事業であること。

これらに問題があると考え、事業内容の根拠の説明を求め、今後また同様の交付金事業が行われる際には、これらについて考慮して頂きたいという要望もしました。

質問に対する答弁

交付金の使い方として

・全世帯への支援を目的とした水道基本料金の減免

・運送業事業者支援を目的とした給付金

・価格高騰支援と地域経済活性化の両方を目的としたプレミアム商品券事業

を行うとのことでした。

質問の中でボクが例を挙げた「全町民への現金給付」や「商品券の一律配布」についての答弁では、仮に現金給付した場合には貯蓄に回る可能性もあり経済効果が低くなる、3000円の商品券を全世帯に配布した場合には、経済効果は3000円分だけにとどまるが、プレミアム商品券であれば2500円のプレミアム分と購入価格の5000円分の経済効果があることからこの事業に決めたとの説明をされました。

今後、考慮を求める要望に対しては、今後も同様の交付金が交付されたときには交付金の趣旨に沿った事業を行うとのことでした。

答弁を受けて思ったこと

水道料金減免事業と運送業者への給付金事業については理解できます。

しかし、プレミアム商品券事業についての答弁内容からは「価格高騰からの町民救済」ではなく「地域経済」に重点を置いた事業であると感じました。

そもそも、商品券で電気料金は支払えないことから、今回の重点項目である「価格高騰で生活に影響を受けている町民を支援する」という趣旨には合致していないと思われます。

これについては納得できませんでした。

しかも、実施内容については公平性がありません。

さらには、この事業は専決処分（議会での議論なし）で決定されたのです。

これは議会軽視と受け取れるものであり、議会の一員であるものとして納得することはできません。

専決処分の理由については「議会を開く時間的余裕がなかったから」だそうです。

時間がなかった…

国からの交付金事業に関する通知が発せられたのは9月の初旬。

商品券事業の説明を受けたのは11月初旬。

2ヶ月もの期間がありました。（通常これだけの時間を要するのでしょうか）

この間、なぜ議会を開けなかったのでしょうか。

ちなみに、議会は3日前に議会の招集をすることで開くことができます。

地域経済の活性化と聞けば耳触りは良いですが、今回は物価高騰で苦しむ全ての国民のために国が支援するという交付金です。

国が全国の国民に直接支援するよりも、地域の実情に合わせた工夫ができるようにと各自治体に委ねた事業のはずです。

それを考えるとモヤモヤが止まりません。

専決処分するにしても、何の値上げが生活費を圧迫しているのか、町民の声を聞いたうえでどの部分を支援するべきか判断して欲しかった。

今回に限っては、経済効果は二の次であるべきと思っています。

町が事業を行う上で町民へのリサーチは重要です。

これこそが「町民ファースト」のはずですから。

残り4つの質問については、次回に投稿したいと思います。

※　一般質問とは

「議会の議員が、地方公共団体の一般事務について、所見を求め、疑義を質すこと、あるいは政策を提言すること」

※　専決処分とは

「本来、議会の議決・決定を経なければならない事柄について、地方公共団体の長が地方自治法（昭和22年法律第67号）の規定に基づいて、議会の議決・決定の前に自ら処理することをいう。」ウィキペディアより

https://kotobank.jp/word/%E5%B0%82%E6%B1%BA%E5%87%A6%E5%88%86-549713

12月定例会での一般質問を解説