先日、母の入院している病院から

家族全員に呼出しがあった。


いろんなことがあったのだが、

表題に絞る。


まず、母の誕生日の日に

ほぼ危篤状態だったこと。

それを乗り越えた経緯。


2年前の夏、くも膜下出血で倒れ、

奇跡的に命を救われ、種々転院し、

今の病院に、半身不随で、

様々な管に繋がれている。


いつ死んでも覚悟して下さいとも言われ、

半年経つが、危篤状態だったことは

初めて知らされた。


肺に水が溜まり、

心臓が弱まり、

腎臓も同様……。

肺の水を除けば心臓が止まる。

腎臓の働きを高めると脱水で危険。

心臓は肥大化して治すのは無理。

無理に心臓を動かすと肺の水が増加し終了。

どうやら血管の問題に行きつくようで

糖尿病も一因らしい。


専門用語が飛び交い、理解できないことが

多々あったが、素人の理解は上記程度。


ただ分かったことは、

お医者様が一所懸命に治療されていることと、

悪い部分を治すと他に影響し、

全体のバランスが崩れ、

かえって死を招くこともあるということ。


人体が微妙なバランスの上に成り立っていることを、まざまざと知らされた。

難解な宇宙物理学を聴いている気分だった。


まさに外なる宇宙と内なる宇宙の不可思議さ。


私の鬱との付き合いは5年を経過するが、

部分対応の西洋医学の薬では良くならず、

全体対応の漢方の処方で、最近は調子を

取り戻しつつある。


私はクラシックが好きだが、

モーツァルトの後期交響楽のうち、

40番だけがどうしても好きになれなかった。

プラハやジュピターなど一発で惹き込まれたのに!あの造形美は素人でも分かる。天才だ。

ある時、N響をある外人指揮者が振ったとき、

40番2楽章の音の掛け合いが、なんとも魅力的で思わず目を見開いてしまった。

指揮者の仕事の一つは

楽器のバランスをとることらしいが、

そのバランスが絶妙に嵌ったとき、

一つの宇宙がそこに存在する。

今や世界的に活躍されている大野さんが

まだお若い時、ハンガリー交響楽団を率いて、

ドボルザーク8、9番を演奏されたのを

聴いたときがあったが、

大野さんは会場の構造から、

敢えてトランペットを舞台裏で

演奏させていたのも、同様な理由なのだろう。

拍手喝采の会場だったことを思い出す。


今、世界は混沌としている。

そこに、絶妙なバランスを取り戻す指導者は

現れるのだろうか。