縦一列に5人並びました。
横にも5人?8人?
キリがいいので10人にしましょうか。
全部で50人のカタマリ。
縦1列がひとつの班。
10班までありますね。
各班に紙袋が配られて、
「中に帽子が入っているから被りなさい」
と言われたとする。
黒い帽子を被って振り返ったら、
後ろの4人はみんな、白い帽子だった。
びっくりする?
ショック?
浮いてると思う?
なぜ自分だけがと思う?
孤独を感じる?
今の私なら、
「ハンチョウ決まった感じ?」
とふざける余裕もあるけれど、
もしも子供だったら、イヤだなと思いつつ残りの4人の顔色を盗み見たかもしれない。
別に自分で選んだわけでもないのに
「ひとりだけ違うね」とニヤニヤされたり、
「変なのー」と露骨に言われたりと、
…想像してはゾッとする。
…想像してはゾッとする。
ここで黙ってうつむけば、今後もからかわれるのは確定。
「自分で選んだわけじゃない!」と怒ればキツい子だと言われる。
「なんでだろうなぁ」とヘラヘラするのもなんかイヤ。
面倒臭いことが大嫌いだった私はきっと
シレッと前を向いて、笑うでもなく、『普通』の顔で立っているだろう。
後ろにいた子がトントンと肩を叩いて、
「ひとりだけ色違いはちょっとイヤだよね、でも似合ってるよ」
と言ってくれたとしたら、私は孤立した訳ではないことに安堵して、
「ありがとう!でもなんでひとつだけ黒なんだろう。目立ちたくもないのに!」
と笑えると思う。
でもここで、それすら言えない子もいるよね。
ホッとしたけど黙ってしまって、帰り道に、
「あぁもう少し気の利いたことを言えたら良かったのに、あの子は私がひとりで黒い帽子だったから声を掛けてくれたのに」
とか考えたりして。
ここで忘れちゃいけない、横に並んでいた残りの9班。
よくよく見れば各班にひとりはいる、黒い帽子。
なんだ、そうか、
5人にひとりは黒い帽子。
それだけのことだった。
50人いたら10人も黒い帽子。
ちっとも少なくない。
ちっとも孤独じゃない。
家に帰って気がついた。
お父さんは黒い帽子を持っている。
お母さんと妹は白い帽子。
お父さんは黒い帽子を隠していた。
帽子なんか持っていないと嘘をついていた。
私は知っていたけれど黙っていた。
理解したくない父と、
理解出来ない母と妹はなんとなく上手くいっていて、
私は時々そこに参加する感じ。
孤独だっただろうかと思う時、
私は自由だったと思う。
誰にも邪魔されず、相談もせず、
ただ自分の中で自分と話して楽しんで。
不思議だけれど、
誰にも分からないんだろうなと思っても
悲しくもなかった。
孤立はしていないからだと思う。
孤独であってもそれは楽しむ余地がある。
それが自分で選んだ孤独なら。
孤立は楽しめない。
孤立したら、『ひとり対全員』みたいな感覚だから。
本当に孤立しているのか、そこは自分で確認しないといけない。
自分が閉じたのか、孤立させられたのか。
閉じたなら、どこでなら開けられそうかを考える。
白い帽子の子たちは、次の日にはもう気にしていないかもしれないし、
隣の班の黒い帽子の子となら気が合うのかもしれない。
ただ、孤立しているなら、もうそこには行かなくていいかもね。
孤立には、孤独を楽しむ余裕がない。
ひたひたとした冷たさと怖さがある感じ。
ましてや、孤立させられた…、わざと黒い帽子のアナタを突き飛ばすような場所なら、直ちに拒絶していい。
孤独を楽しめるのは、自分で選ぶから。
それを忘れてはいけない。
HSPは5人にひとり。
好き好んで5人にひとりの自分になった訳ではないけれど
私は悪くないと思ってた。
それに、危機管理能力バッチリな自分を密かに誇り、密かに楽しんでいた。
「見てみて!」という必要も、「教えてあげる!」とマウント取る必要もない。
自分が分かっていて、もしも相談されたら、ヒントを渡せるかもとちょっと嬉しかったし。
見えている世界があったからかもしれない。
自分なりの楽しみ方、自分が絶対的な自分の味方だと知っていたからかもしれない。
ただ、一番理解して欲しい親という存在の人たちに理解がなかったというだけ。
一番理解して欲しかった人が理解してくれないと、そっちばかり見てしまうかもしれないけれど、私はそっぽを向くのが得意だったので、親とは別に、理解してくれる人を見つけるのが早かった。
私は人の目を見ない。
相手の思っていることが流れ込んで来るのがイヤだった。
目を逸らす癖があって良かったなと思ってる。
そして孤独を味わい、自由に空想するひとりで良かったとも思ってる。
アナタは本当に孤独でしょうか。
その孤独、すごく大切で必要じゃないですか?
孤独と孤立が大きく違うことを
忘れないこと。
そして、理解してくれない人をじっと見つめ続けるより、
理解したくてうずうずしながら、前のめりでアナタを覗き込んでいる誰かを、逃さず受け入れてみて。
準備が出来てからでいいから思っていることを少しずつ話してみたらいいと思います。
夏休みは始まったばかり。
今、じっくりと自分と、今までと周りとを、見直してみたらいいかも。
新学期の為ではなくて、今日、今まで、生き抜いて来た自分の為に。
では、
またね!
2021.07.28. 03:13