時々電車に乗ったりすると、同じ車両に乗り合わせた人たちを眺めて、『この人と気が合いそう…』と思ったりしませんか?
私はたまにしか電車に乗らないのでついつい観察してしまい、その人の座り方、立ち方、持ち物などを見てはその人の人となりを想像して、『気があうかもしれない…』と考えるのが趣味です。
逆にこちらが声を掛けられた時というのは、そりゃびっくりなんですけれども、道を聞かれるとか、そう言うのはありますよね。
ある日の雑貨屋さんでの出来事。
「ちょっと…ごめんなさい、いいですか?」
はっとして声の主を見ると60代後半くらいの女性がハンガーにかかった服を持って立っていた。
華奢でうっすらとお化粧をしている小綺麗なご婦人という印象。
「このお洋服、どう思います?ちょっと似合わないかしら…この前来た時もすごく迷って置いて行ったの。でも今日見たらまだあって、割引もしてて!でもちょっと…やっぱり柄が合わないかしらと思って。遠慮なく!客観的に、ハッキリ言ってみて下さい!」
とちょっとおどけながら言う…。
(いや、ちょっと待って?たった今会った人に遠慮なく感想を述べられるワタクシではないのですが?!)
とめちゃ驚く。
そもそも雑貨屋であって洋服屋でもなく、私もオシャレさんでもなく、よく私に聞く気になりましたねと逆にこちらが質問したい…。
紺地に深い青だったかな…10センチはある大きな水玉模様がポンポンと配置された落ち着いた色味のワンピース。
話し方やその雰囲気が可愛らしく、もっと明るい色でも似合いそうな女性。
スリムなパンツにチュニック姿だったのでその上に合わせて見るととてもお似合い。
「今履いていらっしゃるパンツにも合うし、お似合いだと思いますよ!」
と言うと、「いえいえいえ、そんな…」とちょっと恥ずかしそうにされているので、
「友達が自分で服を作って販売したりしているんですけど、大きめの水玉は人気ありますよ。年齢問わず似合う柄みたいで…」
と言うと、今度は私に合わせている…。
(なぜーーーっ!)
とも思ったが、ハンガーごと受け取って当てて見せると、後ろにさがって自分が着た時のイメージをしているご様子。
しばらく眺めた後で、
「あなたはまだ若いから、これじゃちょっと地味ね、もっと明るい方がいいわね!」
と言ってハンガーを受け取ってまた眺める。
そこにタイミング良く店員さんが目の前を通過〜。
「あ、こちらの方がこのお洋服を迷われている様なんですけど、似合いますよね?」
と声をかけると、ぱっと見て、
「はい、お似合いです!」
と。
(アンタ、その接客!!ちょっとは間とかさ、なんかあるじゃない?)
とは思ったが、まぁいい、
「試着出来ますか?」と私。
「はいはい、あちらに試着室が…」と店員さんがご案内体勢になったので、
「着てみたらいいと思いますよ!せっかくですから」
と、うながして見送り、私は買おうと思っていた細かい物をもう一度吟味してレジへ。
可愛い缶に入ったキャンディーを買った。
ほぼ缶。
可愛いのは缶。
いいのよ、雑貨ってそう言うものよ。
お会計をして振り返るとなんと水玉の服を試着して出て来た奥様に遭遇。
目が合ったので、指でオッケーマークをして
「やっぱり似合ってますよ!」
と言うと駆け寄って来て、
「今、店員さんがね、お連れさまをお呼びしましょうかって!(笑)今会ったばかりの知らない方なんですって言ったところなの!」
と。
お茶目な笑顔で、「ちょっと鎖骨が出過ぎじゃない?これ、大丈夫かしら?」と更に。
店員さん押しのけて駆けて来るとかマジでと若干引きつつも、
「いえいえ、それぐらい出しましょうよ!お顔周りがスッキリ見えていいと思いますよ〜」
と推す。
「何度もごめんなさいね〜ありがとう〜」
「いえいえ〜」
そして店員さん苦笑いの図。
……というやりとりをして帰って来た。
バリバリのキャリアウーマンだったりするのかもしれないけども、あのゆとりある雰囲気がこう…奥さま〜な感じで、嫌味なく、可愛らしくて素敵だった。
ずっと誰かに愛されて微笑みを絶やさず生きて来たのか、はたまた波瀾万丈だったからこそ今は心が豊で人にさらりと声を掛けられるのか…LINE交換とかしていっそお友達にでもなってみたいご婦人だった。
一瞬の出逢いから深く考えさせられる事が多い。
素敵な出逢いだったから良かったけど…。
コースターを蹴り蹴りして疲れて寝た…。
*子猫がやって来ました*
こんな小さい子、捨てるかなぁ〜。
駐車場だよ?危ないのに。
保護して預かってくださった方から受け取って我が家の家族として迎えました!