ことあるごとに夢白あやさんのアビリティに脱帽なので、ちょっとまとめておきます。

ついついいつも推しの彩風さんとか男役さんにボリュームを使ってしまうので。

 

独断と偏見でざっくり書くので、誤認や異論もあると思いますが、軽く流し読みできる方はどうぞ。

ちょっと長いです。

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新しいスタイルの娘役トップ

 

だと思うんです、夢白さんは。

 

まず衝撃を受けたのが、ボニーアンドクライドのボニー

こんな娘役のありかたが、宝塚でできるんだと思いました。

 

娘役の新境地と言えば、レジェンド花總まり様が築いたエリザベートが代表格。

このあと、各スターによるエリザベートが現れ、あくまで男役中心世界の宝塚において、ヒロインの強さと個人の生きざまを表現するスタイルが、エリザベートについては「了承された」といっていいかと思います。

 

どうしても宝塚の娘役は男役をいかに引き立たせるか、という使命をもっているので、あるエリアのなかで輝いているように思えるところがあった。それが、エリザベートについては解禁されました。

 

それを、エリザベート以外で実現したのが、ボニクラだと思います。

 

もちろんボニーはクライドに惚れ切っていてつい強盗まで手伝ってしまうというところで男役に振り回されているのですが、本気でケンカになりそうな勢いでぶつかったり、「わたしのことが欲しくないの?」と誘ったり。セクシーなランジェリースタイルでわざと気にしてないふうにふるまったり。

まず「ボニー」自身というものがあって、そこにクライドとの関係を築いていくという立ち位置は、ものすごくかっこよかったし、引き込まれるものがありました。

 

その前の夢白さんの印象は、シティハンターの王女様でしたが、これは完全にヅカ娘役らしいあざとかわいい女子で、きれいすぎるビジュアルも手伝って「うーん、かわいいけど物足りない」というのが正直な感想だったのですが、このボニーで横っ面張り飛ばされましたね。

すごいのは、このボニーの破壊力で、彩風咲奈さんの魅力もまた爆上がりしたということです。もともとお芝居は上手なスターさんですが、寄り添いタイプの朝月さんをかばいまもるようなスタイルだったのが、夢白さんががっつり強く一人で立っていることで、ある程度の距離をおいて彩風さんも自由にいきいきとご自分の役を爆発させていたという感じでした。

彩風さんが夢白さんと組んで、めっちゃ若返った感があるのは、そこじゃないでしょうか。

もちろん、朝月さんとのしっとりした大人の組み合わせも良かったのですが、ここまで相手役さんで変わるというのは良い意味でのおどろきでした。

 

 

■やさしさのうえに強さをまとった女性

みなさまのブログでちょいちょい「夢白あやさんは、白羽ゆりさんに似ている」というコメントをみかけており、そうかあ?と思っていました。

 

「愛するには短すぎる」で、

似てる!!!!と思いました。

 

実際には白羽さんの愛短は一部しか見てないしうろおぼえでしたが、「君を愛してる」のマルキーズそっくりだと思ったんです。

マルキーズも自立した女性でみんなのために自分の犠牲をいとわない、芯の部分では女としてゆらめくヒロインでした。そのやさしさを強さでコーティングしたかっこいい立ち姿が、バーバラを見て同じだあと。

 

白羽さんも、つよくて素敵な娘役トップとして、すごく印象に残ってます。

ショーで男役さんを引き連れて歌い踊るシーンも、男役さんの迫力をものともしない格上の強さを見せつける感じがめっちゃかっこよくて。

これを見て、「君を愛してる」を今の雪組で再演したらめっちゃあってるよなあ、って思いました。

 

■ルイーザという嵐

ボニーに続いて、わたしが気に入っているのが「ルイーザ」。コナン・ドイルの奥様です。

大人で医者なのに小説家を夢見てふらふらしてる夫を支えるラブラブ奥様。超ポジティブで、ちょっと能天気。慈愛深くドイルを包み込み、あまやかし、そして導くのが、嫌味なく魅力的に表現されています。ちょっと見には宝塚のヒロインぽくないのですが、すてきでした。

声の使い方をすごく極端にふりわけてましたね。コミカルに物語をひっぱりながら、要所要所できらりと美しいスタイルにもどって、ザ・ヒロインな美しいソロを聴かせたり。

U-NEXTでも配信されている「ボイルドドイルオンザトイルトレイル」の舞台後インタビューで、「発散する役で、毎日楽しい」という夢白さんに、咲さんが「そのまんまだよね」と突っ込み、夢白さんが「やーだー」みたいな感じでおばちゃんぽく手をかくんと振るくだりがあります。上級生を立てるあまり、かしこまってしまう娘役さんも多いと思うのですが、素の良さを互いに理解して表現しているおふたりは、役者対役者の相方として、非常にいい関係にあるのではないかなと思うわけです

このルイーザによって、ドイルの少年のような夢見る感や悩みうろうろしながら自分のみちをさがす物語、そしてホームズとのかかわりかたに最終的に納得するみちのりが、より鮮やかに描かれました。彩風さんのドイルは、これまたヅカのヒーローとして珍しく、おとなのくせにちょとへなちょこな役柄でしたが、むりなく夢見る純真さとキュート感、弱さも含めた人間的な魅力が、ルイーザの縦横無尽の活躍ぶりで、さらに引き出されたと思います。

 

■やることがある

彩風さんの退団に「まだやることがあると思います」と添い遂げない意思をあらわしたという夢白さん。大方ではエリザベートの期待があるのではというところらしいですが、わたしは、いまさら、もちろん似合うとは思うものの、夢白さんがエリザベートをやらなくてもいいと思います。

もっと、だれもしらない、やったことのないヒロインに挑戦してほしいとおもいます。

宙組時代のフライングサパでも、研4(くらい?)とは思えないかっこ強い戦士を演じられました。

そういう、「そんなの、宝塚でできるの?」というのをやってみてほしい

 

エリザベートは花總さんが道をしめしてから、皆さんができるようになったヒロインです。花總さんと当時の超絶雪組メンバーによる成功はほんとうに歴史的だったと思います。あの世界観が宝塚でできるとは、びっくりでした。

夢白さんには、花總さんのような切り拓く力があると思うので、予想もしなかった役をやってみてほしいです。

 

全国ツアーのメルトィユ夫人も、難しい役ですが、なんなく大評判を獲得しています。次回のベルばらアントワネットも、もはや成功は約束された感があるくらいと勝手に思ってます。あたらしい風味をどれくらい足せるかに期待していますが、やはりベルばらという「型」の美があり、ある程度きまった枠の中では演じなければならないと思うので、、、、、

 

だれも見た事のない世界を期待したい娘役さん、って、なかなか宝塚の娘役トップとしてはレアなのではないでしょうか。

 

星風まどかさんは、アナスタシアという大業をなしとげ、切り拓きタイプの能力は十分だったと思いますが、バランスを重視するコンビ構成だったからか、ご本人の意思なのか、そこまでの爆発は宝塚では見せませんでした。でも、あのアルカンシェルをみたら、「これから外部でぶっ飛ばすんだろうな」という期待はもりもりですよね。

 

夢白さんの場合は、個人の自立を重視する彩風さんと組んだことが、非常に良かったのかもしれません。彩風さんの、なにをやっても受け止められる器の大きさ、体格的に恵まれた圧倒的な存在感があって、夢白さんは「どーんとぶつかる」ことができた側面があるかも。次のお相手と目される朝美絢さんは、やや小柄にはなり夢白さんの迫力に対抗するパワーという点では未知数な部分がありますが、全ツではコンビとして非常によかったと言われてます(はやくブルーレイ出して!)

なによりなんでもできて合わせてくる対応力と、自由な発想力があるスターさんなので、また違った勝負の仕方があるかも。

雪組はそもそも型にとらわれすぎず目的のためには全員がなんでもやるスタイルなので、その意味でも夢白さんのチャレンジ場所としてはいいのではないかと思いますよねーーー、勝手に。

 

期待しております!!!