一禾 あおさんが退団されました。

 

たくさんのご意見があると思いますし、わからない部分を推測もふくめて書きます。

ご理解のいただけるかたはお読みください。

 

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やっと、という感じでしょうか。

それが良いとか、悪いとか、なんともいえないです。

 

戻ってくれたらいいなとは思っていましたし、雪組のみなさんも、雪組ファンの多くも

もし戻られたらあたたかく迎えただろうとは思います。

 

雪組ファンとして、一禾 あおさんは、若手ながら落ち着いて安定した存在として期待していました。

新人公演はみていませんが、細かいところで存在感を示していたと思います。

 

お名前は前から耳にしていましたが、「ライラックの夢路」で初めて一禾さんを意識しました。

5人兄弟の4番目。

末っ子が病弱というところで、「弟」らしいにぎやかさを特に表現されていて、それでも末っ子に対する思いやりと堅実な仕事をするおとなぶりを、ばりばりに目立つ兄弟に囲まれながらしっかりつとめていました。

 

「蒼穹の昴」では優秀で熱意ある役人から軍人へのみちが説得力がありましたし、文秀や順桂と一緒にうたう冒頭のナンバーでは、大先輩たちに迫力負けせず、しっかりとしたハーモニーをきかせてくれました。

 

個人的には「愛するには短すぎる」で、叶ゆうりさんのユーモラスな船長を引き立てるしっかりした船員ぶりが特に印象的で、安心してみていられるなあと思っていました。

 

これから、というところで断たれてしまった道。

 

宝塚が、引き返したくても、戻れない場所になってしまったと思うと、とても悲しいです。

 

大切な家族がこのような形で失われて、その場に、夢をうる人として立てないという判断になったとしたのだったら、

だれが何をいえるでしょうか。

ほかにも、いろんな思いを、さまざまに抱えられていると思います。

 

一禾さんの考えはこうだろう、と決めることはできませんが、わからないからとなにも考えないというようにも思えません。

 

今回、一禾さんがひとつ歩みを進められたことを、その重さをたしかに受け止めること。

このかなしさをわすれないこと。

宝塚歌劇団がこれからむかうみちを、今後のご遺族への対応も、生徒さんへの取り組みも、見続けていくこと。

このようなことが、宝塚にも、ほかの世界にもおこらないように、自分の日常をみつめなおすこと。

 

わたしにできることはわずかかもしれませんが、このようなかたちで苦しむひとがひとりでも減るように、

一禾さんの未来をお祈りしつつ

ただの過去、にならないように、考えていきたいです。