この器の大きさを見よ！
彩風咲奈さんのトップ代表作といえるでしょうね。（演出家ゴタゴタ騒動がなければ名作としてのこったのに、、、、）
ミュージカルとショー二本立てでハッピーメロメロが好きなわたしとしては歴史ものの１本ものはちょいと苦手な分野ですが、この作品は初観劇したときに、すでに「これは、、、、、！！！」と感銘をうけていました。ここにきて、U-NEXTによるオンデマンド配信が始まり、嬉しいのひとこと。
ここから独断と偏見でざっくり感想を書くので、誤認や異論もあると思いますが、軽く流し読みできる方はどうぞ。
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◆彩風咲奈さん、魂の舞台
咲奈さんはお芝居が上手です。
でも、演技巧者というよりは、魂のこもった、あたたかみと勇気溢れる空気がすばらしい。もちろん、研究しつくされた所作や声、間の使い方も優れているのですが、そこに、かならず「咲奈さん」というひとの血のあたたかさと、魂を感じます。これは、天海さんもそうだったのですが、それ以来、あまりスターさんのなかではみかけなかったので、大好きなんです。
梁文秀は真面目でおおらかで、とにかく情に厚い。壮大な夢と国のためにつくしたいという思いにあふれています。この「人徳」感をここまで表現できるのは、彩風さんご本人の器の大きさなくしてはないだろうと思います。
悲恋ものではよく泣きますが、こういった宝塚のヒューマンストーリーで泣いたのは初めてでした。彩風さんには不思議な力がありますね。
遠くを見つめる目のちから、 玲玲の手をとったときのやさしさ、、、、、胸キュンラブストーリー仕立てではないのに、超惚れます。
◆朝月希和さん、ひらけた視界
朝月さんはすきなタイプですが、じつは、ちょっとびっくり。
すばらしい演技だったんです。
これまでは、寄り添うタイプが多く、男役さんの存在ありきというかんじで、あしもとを固めていないような、ちょっとふわっとした感じでした。それが儚くて美しい部分もあったのですが、この作品で、なにかふっきれたのか、ひとりで立っていた。玲玲として、しっかり存在してたんですよね。退団公演として、心境がかわったのでしょうか。役としてはそれこそひっそりと寄り添っていきたい、守ってあげたいような「ちいさな妹」なのですが、玲玲としてどういきてきたのかがしっかり立てられていて、すごくよかったです。文秀のことを最初はすきというか憧れていたんでしょうね、その思い出にひたるときの控えめな夢見る感じもすてきでしたし、好きだといってくれた 譚嗣同 の処刑をみまもって出国するとき「泣いてもいい？」ときちんといえるところまで玲玲が成長した部分を見せてくれたのは、とてもよかったです。
◆びっくり真面目な朝美絢さん
いつものセクシーさとチャラさを封印。おおきな咲さんに対して、ちいさな 李春児 をかわいく演じました。小柄だとは思いますが、いつもは大きく見せているんでしょうね。たぶん実体以上に小さくて、かわいい。元気で小生意気で、懸命に生きる、ひたむきさが、泣ける泣ける。咲奈さん、朝月さん、朝美さんのバランスが非常によかったです。
このメンバーでなければ、ここまでできなかったのではないでしょうか。
◆ファン垂涎の黒貴公子、和希そらさん
まあ、役名の 順桂 （シュンコイ）にちなんでブログ界隈で「瞬恋」といわれたほど、この役はかっこよかった。わたしも、これで堕ちました。国を憂いて暗殺をくわだて、爆死するという壮絶。出番は控えめで、キャラも控えめなのでごりごりに目立つシーンは少ないのですが、インパクト強烈。ぜったい好きになっちゃいます。
梁文秀の人を信じたいという気持ちをうらやましく思いながらも納得がいかず、すっと目線をそらすときのかっこよさったら！目線をあげて見つめたときに撃たれるというのはよくありますが、目を伏せられたときにみぞおちにゴツッとくるキュンはなんなんでしょう。先月退団されてしまったさみしくて仕方なかったので、このでシュンコイみられてめっちゃうれしい。
曲や歌詞もすばらしくて、ほか雪組のみなさんもすばらしい。
一樹さん、あがたさん、すわさん、まのみやさん、もよかった。なぎなさんすげーー。まなはるさんさすが。あがちんはほんとにかっこいいね。あらけずりかんが、若くて改革したいがうまくいかない皇帝の姿とあいまって、説得力がありました。
若手では、このひと目力あるなと思ったら、やっぱしのかせきょー。観劇のときはキレイ！と思っていたが誰かわからなかった春児の同僚役は、聖海さんということが判明。あと、いちかさんもこの作品ですごくお芝居の可能性を感じられたので、思うところが深まります。
役が少ないので若手や娘役さんには活躍の場が少なかったかもしれませんが、全員が一体となってすばらしい舞台を作り上げていました。脚本も非常によかったと思います。
◆フィナーレ
冒頭の和希そらさんに、いきなりうちのめされます。このひとにこういう衣装をきせてこういう歌をうたわせたら、もうダメでしょう。おちるしかない。
そして中国風の扇子に長い衣装の男役ダンスが、めっちゃかっこいいです。
さらに、トップコンビの珠玉ダンス。
これが、、、、、めちゃくちゃうつくしい。朝月さんの体のやわらかさをいかした非常に型のきれいな構成で、ダンサーとしてすぐれたおふたりの魅力がいかんなくはっきされています。ためいきもの。
最近あからさまに夢白さんと彩風さんのお芝居相性のよさを推しているわたしですが、このさききわダンス相性のすばらしさは、やはり別格かもしれません！
しばらくは配信継続されていますので、お時間ある方は、ぜひご覧になってください。
しかも、このオンデマンド配信はいちど購入すると１週間は何回でも再生できるので、キュンなポイントを何回でも繰り返せます。おとくですねーーーーー。でも、我慢していたブルーレイの購入ボタンを押してしまいそうです。