先日の雪組「ボイルド・ドイル・オンザ・トイル・トレイル」「FROZEN HOLIDAY」千秋楽を、ライブビューイングで見てきました。

「FROZEN HOLIDAY」の歌で「このときが宝物」というフレーズがあり、ほんとにそうだと涙が出そうになります。

スーパーカズキ・ソラが退団ということでブログにもたくさんの記事がでましたね。ほんとに愛されてるーーーーとしみじみ。

わたしは予算の都合でいつも1公演あたり1回くらいしか見ないのですが、大好きなそらさんの卒業、そして次回にイチオシである咲さんの卒業を控えて、今回は2回の配信と1回の合計3回みました。

 

ここから、独断と偏見でざっくり感想を書くので、誤認や異論もあると思いますが、軽く流し読みできる方はどうぞ。

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◆ボイルド・ドイル・オンザ・トイル・トレイル

何回みても、この作品はいいですね。最初にみたとき、構想の面白さが衝撃的で、こんな面白いお芝居が宝塚にあるんだあと思いました。いいチャレンジ。全体にハッピーでコメディな中に、ドイルの家族にかんするシリアスな思いや、自分のやりたいこととはなにか、つらいことがあってもそれぞれの「物語」があっていきていく、というメッセージ等、考えさせられることがおおく、単なるわちゃわちゃでないところがイイ。ドイルとルイーザもちょっとのんきなイチャイチャ夫婦ですが、芯の部分での結びつきや信頼関係がしっかり描かれていました。

ベタベタラブストーリーが好きなわたしですが、それだけでないオリジナル作品としては、大空祐飛さんの「クラシコ・イタリアーノ」以来くらい、気に入った作品となりました。

 

◆彩風咲奈さん

もーーーーー、かわいい!

実は、わたしは「ヒゲ」が好きではなく、先行画像がでたときには(まだ詳細が発表されてなかったので)、えーーーーーやだなあ、実はドイルとホームズの2役で、ホームズのときは髭がないとか?って思ってたんです。当時のブログ等でみるみなさんの感想ではイケオジヒゲが評判でしたけどね。

実際にみてみると、これは、ヒゲがあって正解だったなと思います。

髭があるような落ち着いた年齢&職業(医師)のドイルが、こころは少年みたいで売れない小説を書き続けたり、好奇心旺盛にロンドンの夜のまちをうろついて騒動にまきこまれたり、ホームズにふりまわされたり、、、、ギャップが素敵でした。そして、あのハの字まゆ

困ったときに眉尻のさがる咲さんのキュートさったら!いつもオラオラな感じでかっこいいのに。ほんとに、うまいなーーーーと思います。

毎回、咲さんはいろんな男性像をみせてくれます。次回はフェルゼンですが、これはもう型がきまっちゃってる役なので、似合うのはもうわかってるんですけど、咲さんの変わり方を毎回楽しみにしているわたしにとっては、今回が最後の咲さん変化のお楽しみ。満喫しました。ブルーレイかおっと。

 

◆朝美絢さん

もんくなし。毎回、文句なし。毎回、すばらしい。安定!チャラ男技術にさらに磨きがかかり、ドイルを振り回すホームズのいたずら妖精感がパーフェクトですね。ドイルに「ほかに書きたいものがある」といわれて、むっとしたように去っていく場にほんのりとさびしさをにじませるあたり、いきなりきゅんとさせられました。やるなあ~~!ショーでの超越雪祭男子みたいなバリバリのシーンもおてのもの。2番手時代の早霧せいなさんを想い出しました。

 

◆夢白あやさん

これくらい独り立ちしてどっしり演技ができる娘役さんは、すばらしいですね。もちろん相性もあると思いますが、いまの咲さんにはこのくらどーんとぶつかってくれるタイプがあっているのでは。ナウオンステージでは「お互い好きにやってるだけ」と笑ってましたが、朝美さんにすごくしっくりきてる似たもの夫婦と言われてました。

 

◆和希そらさん

退団挨拶で階段を降りてこられたとき、なんて美しいひとなんだ、と改めて思いました。

ショーのキラキラ衣装から着替えてすっきりしたハカマ姿。これで、これだけうつくしいかと。

ショーで黒から白の衣装に早変わりし、退団への想いをこめて歌うシーン。銀橋に踏み出した瞬間からキラキラと降り注ぐようなオーラに、息をのみました。

なんか、、、、以前わたしは、和希さんは実力と人気がすごいのはよくわかるけど、なんとなくトップになる、って感じでもないのかなーーーーと思った事があるんです。朝美さんや縣さんはトップなんだろうなと思いつつ。

間違ってました。

ほかのみなさんに、どんなひけをとるというのでしょう。

トップになってほしかった。すばらしいスターさんです。

挨拶&カーテンコールでも、ソラさんらしいえぇ声ユーモアで、みんなのこころをさらっていきましたよね。

そういえば、ライブビューイングではショーのプロローグ、冒頭でスターさんの歌い継ぎがあるところで、ソラさんの歌に入った瞬間、さっと彩風さんのお顔が映りました。ステージおくから全体を見守る支配人の立ち位置なのですが、すごく温かく、でもちょっと寂しそうに黙って笑顔を浮かべてらして、すぐにそらさんにカメラはもどったのですが、その空気にこちらは泣きそうでした。

 

あたらしいソラでの活躍に期待します!

 

◆Snow Flower will Bloom

ショーでの雪組100周年記念シーン。

前の場面、和風の正月ダンスでバリッバリに動いてきた後で、超早変わりの上にゆったりと優しいメロディを歌い出す咲奈さん。

息大丈夫なの?すごい。

咲さんの両脇に奏乃はるとさん(組長)、透真かずきさん(副組長)がポージング。3人の輝く笑顔とどっしりした安定感。雪組という伝統が100年をむかえた喜びと、これまでの雪組のあゆみについての誇りを感じて、感涙でした。

 

ワイルドホーンさん書きおろしのこの曲はほんとにすばらしくて、そして、それを歌う彩風さんの技術!

 

わたしは杜けあきさんあたりから雪組を見ていますが、超絶うたうまのスターさんもたくさんいました。情熱的で声幅のある杜さん、神の領域 一路真輝さん、パーフェクトトーン彩吹真央さん、エンジェルボイス音月桂さん、そして歌唱モンスター望海風斗さん、、、

彩風さんはダンスが目立つことから「歌うま」さんには分類されることがないのですが、わたしは彩風さんのうたは、うまいと思うんです。声の伸びでズドーンと圧倒するというよりは、的確に歌とシーンを理解して、的確に表現する。ファントムのキャリエールのときも、配役発表時には圧倒的歌手の望海さんファントムについていけるのか的な心配がされてたみたいでしたが、結果、めちゃくちゃ素晴らしいデュエットだったといろんなブログで評判でした。

すごく、練習されていることもあると思います。音程も安定してるし、むりに出している感じでもない。

そして、歌に、すごくあたたかさがある。

 

今回の歌は、とくに、感謝や喜びを表現するものだと思いますが、彩風さんがいつも大好きだといっている宝塚そのものとファンにたいして、彩風さんの温かい心そのものが伝わってくるようでした。

 

最初の配信(本拠地大劇場の千秋楽)は、直前に心配な休演もあったため、彩風さんがそこで歌ってると思うだけで涙でしたが、今回は、本当に歌と、歌う彩風さんのすばらしさに涙でした。

 

◆カーテンコール

和希そらさんがプーさんのものまねを披露したことで、みんなも?と振った咲さん。

結局みんながおわって、、、、「じゃあ、咲さん?」という逆襲にあってしまいます。

皆の視線にきゅうっと小さくなって「ええーーーー?」と困ってしまった様子が、めっちゃかわいかったです。

一番背が高くてキラッキラの衣装なのに、突然一番小さい感じに肩をすくめちゃって。

「次回までに考えときます!」とされてましたね。

ストイックでドSと冗談に言われてしまうくらい真面目な咲さんですから、ちょっとその場でやってみる、というのはできないのかなあと、ほほえましかったです。

そういうやりとりのできる関係性が、雪組全体のあたたかさを表しているようで、ほっこり。

次回って、フェルゼンが物まねするのかしら???

 

いろんなことを思って泣いちゃう場面も多いですが、お芝居もショーも全体にハッピー感に包まれていて、幸せな感じにひたれました。

ありがとうございました、雪組&宝塚の皆さん!