雪組公演「ボイルド・ドイル・オンザ・トイル・トレイル」「FROZEN HOLIDAY」を観まして。

今日の感想は、次世代雪組スターの切り込み隊長である、縣千さんと華世京さんについて。

 

雪組と言えば「御曹司」のようにいわれますが、生え抜きの組っ子を「これ」と決めて抜擢を続けながら育成することが多いとされています。

圧倒的なビジュアルとダンスで文句なしの御曹司として縣千さんが爆走中と思いきや、ここ最近「やっぱりこの子じゃん?」とばかりに歌・芝居・ダンス・舞台度胸のバランスにすぐれキュートなプリンススマイルが輝くかせきょーの抜擢がすごい。

 

ここから、感想含めて独断と偏見でざっくり書くので、異論や誤認もあると思いますが、軽く流し読みできる方はどうぞ。

-----------------------------------

 

もともと、縣さんに注目してたんですよね。

初めて気が付いたのは「fff」のお亡くなりになった音楽家さん。4人の音楽家が狂言回しのような設定で、いわゆる宮廷服に白い髪をカールさせたカツラをつけて、コミカルな感じ。決してかっこよくはないこのいでたちで「おおっ」と思ったので、引き付ける力があるなーーーと思ったら、いつの間にかガンガン前に出てました。

 

背が高くてダンスが上手なのは、いま大好きな彩風さんと共通してるし、彩風さんが卒業されたら縣さんを推すことになるのかなあなんて。

 

しかし。

しばらくして、ブログ界隈から「かせきょー」という子がスゴいらしい。と感知。

 

22年の「ODYSSEY」ブルーレイを最近になって購入して見てみたら。

 

うわあ。

 

モンスター級じゃない?

 

なんでもできる優等生で顔もキレイという認識だったのですが、優等生どころじゃない存在感でした。

もちろん、ダンスも歌も上手です。

 

が。

 

ショーでの役作りというか、かもしだす雰囲気がすごい。とても下級生とは思えない落ち着きと、ハマリ感。

ODESSEYのときは、研3です!

 

特に舌を巻いたのが、金の奴隷のシーンで、彩風さんと踊るところ。彩風さんが奴隷で、王妃はかせきょーさん。

恋に落ちた二人がエスニックな衣装をなめらかに翻しながら連れ舞う様子は、ほんとに素敵でした。ちょっとセクシーなやりとりを感じさせるシーンも、すごくハマっていて。きれいでいやみなく、どきどき。

ブックレットを読まずにブルーレイをみたときには、正直王妃ではなく王女さまにみえました。さすがに、王妃よりは幼さがあったかな。

でも、高貴な感じと、ちょっとためらいがちな彩風さんをリードするような天真爛漫さをおりまぜ、恋の想いを表現するたしかさ。首や脚のつかいかたがやわらかく丁寧で、女役としてのダンスに違和感がない。

この公演ではバリバリの男役スターさんが次々と女役のシーンをこなすのも注目ポイントですが、もっとも幸せ感のあるデュエットをみせたのが、かせきょーさんだと思います。もともと彩風さんのファンだったということもあるのかもしれませんが、LOVE感がばっちりでした。

 

ひるがえって、じゃあ同公演におけるあがちんはどうだったかというと、、、

 

カルメン。

 

男前すぎる!

 

あのねえ。上背があるから赤いドレスでちょっとダークな色合いの肌に黒髪ロングというのはめっちゃ素敵だったんですが、いかんせん男前な雰囲気がすごい。

静止してるとすごく説得力のある美しさなんだけどねーーーーーー。

ホセに対するLOVEをあまり感じなかったのは、物語からするとホセの片思い突っ走りーーーな感じでいいのかもしれないけど、やっぱりどこかでカルメンならではの情感がほしかった。スターダム駆け上がり中でいい場面を結構もらっていることもあるのですが、得意のシーン(ドアボーイ)とかではめっちゃ輝きつつも、歌が心配になったりと、かせきょーの猛追に耐えられるか?と思っていたところ。

 

 

しかし。

 

「ボイルド~/FROZEN HOLIDAY」では、縣さんのよさが非常にいかされてました

オペラグラスのいらないスターだな。と思いました。

とにかく出てくるだけで炎のようなスターオーラと勢いがあり、背が高く手足が長いにしても、オペラグラスに収まらない感じで顔のアップをみたいというより、縣さんの周囲全体をみたいと思ったんです。

お芝居ではインチキ降霊術を行なったり、ペンのセールスマンになったりとヘンテコな教授の役でしたが、髭にカツラにゴテゴテの衣装でも、なんか憎めなくて笑ってしまう。その発光に目が引き寄せられてしまう。

トーク番組をみていても、縣さんだけやたらに天然だけど真面目だけど、どっかポイントがずれていておかしい。でも、そこにめちゃくちゃ人的な魅力があって、周囲を笑顔にしちゃうんですよね。これは、もう天性でしょう。

ショーもドレッドスタイルのちょっと変わり種DJ(なんでDJがジャズ?)でしたが、とりあえず、その場をしっかり作り上げてしまうオーラがすごかったです。

歌も全体的にグレードアップされていて、良かったあと思いました。

 

 

華世京さんは、安定感はしっかりでキュートな笑顔が印象的でしたが、配役については、ちょっともったいなかったかも。

ドイルがホームズにであうきっかけをつくる貴族政治家の役。スターダム的にはもうそんなに上まできました?ということだと思うのですが、役そのものがそんなに面白くなかったかなあ。郵便配達の壮海はるまさんの方が、おいしかったですね。あのキュートで存在感のある役は、かせきょーさんでも良かったのではと思うけど、出番がかぎられるからだめなのかなあ。

ショーでも安定した起用と、それに安定して応える力を発揮していました。まだ5年目ですのにーーーー。

 

縣さんと華世さん、このスーパー御曹司たちが切磋琢磨しながら雪組を盛り上げてくれたら、こんなに楽しいことはないですね。

拮抗しすぎるとどこかで組替えなど引き離されるかもしれませんが、今後を楽しみにしたいです。