ズキっ。


「・・・痛っ。」


口の奥のほうに違和感を感じ始めたのは、先週の金曜日の朝。

台風の影響もあり、肌寒い朝だった。

その日、僕は大切な仕事があった。

声が出ないと仕事になら無い僕は、

この痛みに対し、まずは一番厄介な喉を疑い、

つまりは風邪の引き初めと判断し、終日マスクで過ごした。


次の日、これは喉の痛みではないことに気付いた。

しかし痛みは増していた。

痛みの場所が喉ではなく、歯茎かなと思い始めたとき、

僕の脳裏に一つの可能性がよぎった。


『親知らず』


その名の通り、親元を離れるくらいの年頃から生えてくる歯で、

僕はこいつに度々、苦しめられてきた。


数年前、親知らずの抜歯をした時は、

あまりに腫れて、口に飴玉をいれてるようだった。

その滑稽な風貌に周りは僕をいじっても良さそうだったが、

あまりに苦しむ僕に心配の声のほうが多かった。


口が上手く開かないので流動食しか食べれず、

1週間で5kgも痩せた僕にとって、(僕は親知らずダイエットと呼んでいる。)

親知らずの存在は脅威だった。

無論、声を出すことも困難な状況で、

近日ある大事な太田プロのネタ見せ、

さらには大事なライブ『月笑』を乗り切ることは不可能だと感じていた。


そうなると、今は抜歯とか考えたくなかったが・・・


ズキっ。


「・・・くっ。」


時折、左奥の辺りから襲ってくる痛みは生活に支障を与えた。

長い期間はこれを抱えるのは無理だった。


僕は一つの覚悟を余儀なくされた。


「歯医者に行こう。」


もし抜かないといけなければならない場合、

一番に考えるのは「月笑」で、

今からだったら、約10日くらいはある。


抜いてから1週間はしゃべれないことを考えると、

抜歯するならば時間的にも今日。

僕の足は少し震えた。


いや、もしかしたら抜くほどのことではないかもしれない。


そう楽観的に考えても、あの飴玉顔が必ず出てくる。

あの痛みが戻ってくる。外は少し雨が降っていた。


電話をして予約をし、歯医者に着く頃には、

僕は驚くほど、落ち着いていた。

少し小さくなったような気がした痛みを隠しながら、

受付を済ませ、待合室で相方まこtoへの言葉を考えていた。


抜歯をしたら、月笑には間に合うかもしれないけど、

今週ある事務所のネタ見せにはほぼ声が出ない状態で臨むことになる。

まこtoにも迷惑をかけてしまうのは明らかだった。

まずは謝罪だよなーとか考えていたら、

「田村さーん、お入り下さい。」と声がした。

何故か看護婦さんにすいませんと謝罪し、僕は奥に向かった。


マスクの上からでも愛想が分かるくらい先生の言葉に従い、

僕はくの字に曲がる居心地の妙に良いイスに座った。


ズキっ。


この痛みは慣れないもんだなと思いながら、

僕は今の僕の状況を説明したのち、

天井に向かって体内への入り口の門を開いた。


先生の小さいため息が耳を撫でた。

この頃には僕はまこtoへの謝罪の言葉も決まっていた。

さぁ、開戦の合図を下さい。

僕と僕自身との戦。飴玉野郎との戦。

戦闘準備は万全です。

親には事後報告だ。それがこの戦い唯一の掟。


手汗をじんわり感じている僕は、

先生の口から、ほら貝ではない音を聞いた。


「これ、口内炎ですね。」


・・・は?


「見えますかね?口内炎です。」


真実を告げる鏡に目くらましをくらいながら、

僕はそっと刀を鞘に戻した。


「最近痛み、減ってきたでしょ?治りかけですねー。」


この人は預言者か?

何故、僕の口内環境を数秒で把握できたのか。

もしや手品師か?魔法使いか?あぁ、医者か。


「一応、軟膏を出しときますね。塗り薬です。お大事にー。」



戦利品です。


口内炎の薬って「ケナログ」って言うんですね。こりゃ収穫。笑



というわけで、すごい心配したけど、


実は大した話じゃなかったですよってことを小説風に書きましたメラメラ


長かったですねー。すいませんあせる


僕も読み直すのもめんどい。笑


でも口内炎って、普段は唇に出来るイメージがあったので、


こんな口の奥のほうにも出来るんですねーショック!


本当歯茎の並びの一番奥に出来たんですよしょぼん


どうでもいいか。笑



とりあえずこの軟膏を早速塗って、早く治したいと思います得意げ


指にとって、口の奥の方へ・・・



・・・オエッ。




tamroid携帯からの今日は妹の誕生日なのに汚い話でごめんの投稿