砂防堰堤の上流が土砂で水通しの高さまで埋まった状況を満砂と言いますが、満砂になった場合堰堤の役目は終わるのかというとそうではありません。
満砂となっているのは、下図の平常時堆砂高のラインまで堆砂している(茶色の範囲)状況です。
土石流時には計画堆砂高まで土砂が貯まり、平常時堆砂高と計画堆砂高の間(緑色の箇所)で土砂を捕捉する計画となっています。
土石流発生後、緑色の範囲に堆砂した土砂は徐々に流され、平常時堆砂高までの堆砂に戻るという形になります。
設計においては各堆砂高は基本的に下記のように設定しています。
計画堆砂高 現況地盤高の2/3の勾配の高さ
平常時堆砂高 現況地盤高の1/2の勾配の高さ
例えば現況地盤高がI=1/10の勾配の場合は下記のとおりとなります。
計画堆砂高勾配 1/10×2/3=1/15
平常時堆砂高勾配 1/10×1/2=1/20
こちらは堰堤施工直後で上流がほぼ埋まっていない時
堰堤施工数年後上流が土砂で埋まりだしている状況
(同じ堰堤ではないです)