数日前の記事なんですけれども、おっかない話なので載せておきます。


大麻事件:「栽培予備」で積極摘発 種子所持に罰則なく
毎日新聞 2009年9月28日 15時00分更新

 大麻事件の急増を受け、全国の警察や厚生労働省の麻薬取締部が、これまでほとんど適用例がなかった大麻取締法の「栽培予備罪」を積極的に活用し、大麻種子の所持者の摘発に乗り出していることが分かった。同法は種子の所持自体に罰則がないため、インターネットを通じ「観賞用」名目での種子販売が横行している。警察などは、照明器具や植木鉢を用意するなど栽培環境を整えている場合は栽培予備罪に当たるとみなし、積極的に事件化することにした。【町田徳丈、千代崎聖史】

 警察庁によると、栽培予備罪(3年以下の懲役)での検挙者は07年まではほとんどいなかったが、08年は関東地方を中心に30~40人を検挙。09年は7月までに約30人を検挙しており、昨年同期比2.5倍のペースという。

 同法は大麻草の所持▽栽培▽譲り受け▽譲り渡し▽輸出入に罰則を設けているが、種子自体には有害成分が含まれていないため、種子の所持には罰則規定がない。また種子が七味唐辛子の原料などにも使われているため、厚労省は「法改正で所持を処罰するのは難しい」としている。

 捜査関係者によると、種子はネットで1粒1000~5000円で販売されているが、「観賞目的だけで種子を購入するとは考えにくい」(捜査関係者)として、照明器具や植木鉢、肥料、栽培マニュアル本を用意するなど栽培目的が疑われる場合は栽培予備罪で摘発する方針で臨んでいる。

 福岡県警は今年2~5月、ネットで種子を購入した33人の自宅などを栽培予備容疑で家宅捜索。その結果、飲食店経営者ら25~47歳の男13人が乾燥大麻を隠し持っていたことが判明、同法違反(所持)容疑で現行犯逮捕した。

 一方、関東信越厚生局麻薬取締部も今年初めて、茨城県の男性(27)や愛知県の会社員男性(39)ら3人を栽培予備容疑で書類送検した。ネットで種子販売サイトを運営し、早稲田大学生らに販売したとして同法違反(栽培)ほう助などの容疑で08年に逮捕された男(35)の顧客を捜査する過程で3人が浮上した。男の顧客は延べ約2100人いて、同部と警察は今年1月以降、栽培予備容疑で約150カ所を家宅捜索、栽培や所持容疑による50人以上の逮捕につなげた。

 栽培予備容疑での検挙者は、「栽培まではしていないので違法性は高くない」などの理由で多くが起訴猶予処分になっているとみられる。しかし、警察庁幹部は「大麻は『ゲートウエードラッグ』とも言われ、あらゆる薬物犯罪の入り口になる。使える法律を使い、しっかり検挙していこうという姿勢の表れ」と話している。

 ◇ことば 大麻
 アサ科の1年草の植物が原料で、葉を乾燥させたものは「乾燥大麻(マリフアナ)」、樹脂を固めると「大麻樹脂(ハシシュ)」と呼ばれる。乱用すると陶酔感のほか、幻覚や妄想の副作用が出る。警察庁によると、今年1~6月の大麻取締法違反の検挙者の検挙者は、「栽培まではしていないので違法性は高くない」などの理由で多くが起訴猶予処分になっているとみられる。しかし、警察庁幹部は「大麻は『ゲートウエードラッグ』とも言われ、あらゆる薬物犯罪の入り口になる。使える法律を使い、しっかり検挙していこうという姿勢の表れ」と話している。

引用元→毎日jp http://mainichi.jp/select/jiken/news/20090928k0000e040066000c.html


これって、よく市民活動家など(広い意味の)サヨクの方々が反対している「共謀罪」に近いものがあるんじゃないかと思ってしまう。大麻を栽培することを取り締まるはずの大麻取締法だけでは飽き足らず、「栽培しようとしたやつ」まで逮捕してしまうんだから。
これを更に進めたら、栽培の方法についてインターネット上に載せたものは、「栽培予備罪幇助」とかになるのかしらw

本文には、

「観賞目的だけで種子を購入するとは考えにくい」

とあるけれども、そんなこと主観的な判断じゃないかと思ってしまうし、そもそも何目的で購入しようと個人の勝手ではないか!そんなところまで徹底的に(文字通り)芽を摘もうとするほど、大麻って悪いものなのかしら。ほかにも、

「大麻は『ゲートウエードラッグ』とも言われ、あらゆる薬物犯罪の入り口になる。」

とあるけれども、それを裏付ける科学的な根拠は全くない。(っていうか「ゲートウエー」ってなんだw 「ゲートウェイ(Gateway)」じゃないのかw)

確かに大麻を暴力団関係者が密売していることもあり、そこからよりハードなドラッグ(覚せい剤など)を売りつけられることがないとは言い切れない。しかし、それは大麻に手を出せば、自然とより強いドラッグを求めるということではなく、社会的な条件の問題としてそうなっているに過ぎない。逆に大麻を非犯罪化したりして、オーバーグラウンド化させれば、暴力団の資金源としても機能しなくなるはずである。

要は、厳しい取締りをしているがゆえに、競争原理が働かずに、暴力団が得をする、という構造があるのである。


っていうか、「大麻」の用語説明で

アサ科の1年草の植物が原料で、

とか書いてあるけど、ウソでしょw
大麻自体がアサ科の一年草の一種なわけで、この記述だと「大麻=麻薬」ということになってしまうw

よく言われることだけど、大麻自体はただの草なのである。使い方によってはいわゆる「麻薬」的な効果があるということに過ぎない(このブログのタイトルが「大麻ってそんなに悪いものじゃないよ」となっているのも、それと関係がある)


それにしても、記事の中の文章は

種子販売が横行

だとか、

種子自体には有害成分が含まれていない

だとか、ともかくネガティブなイメージを植えつけようとする意図があるのではないかと思ってしまう表現ばっかりである。(「横行」というのは明らかにネガティブなイメージを持つ言葉だし、「有害成分」なんて表現を大麻に使うこと自体不適切)


こういった表現を「構成中立」を標榜するメディアが、堂々と使うことによって世論は確実に影響を受けてしまう。しかし、現在は世界的な潮流から言っても、大麻を取り巻く状況は変化している(非犯罪化の流れ)。そうした動向を全く無視し、「大麻汚染」などと無自覚に(もしくは意図的に)報道する日本のメディアの罪は重いだろう。