『タマヨリヒメ』とは神霊を依り代とする巫女のことであり、タマヨリ姫という名の女神は複数いる。

これが定説。

例えば、

●日向神話のタマヨリ姫(神武天皇の母)
●丹塗矢神話のタマヨリ姫(神武の妻の母)
●日本書紀の一書のタマヨリ姫(ニニギの母)


日本の神名の多くは役職名や称え名。


同名別神や別名同神がおり、どなたとどなたを結ぶか…という論争は絶えません(笑)


しかし、ホツマツタヱでは、役職名と本名を明確に分けて記載している。

そして、タマヨリ姫は『タマヨリ姫』で、役職名にはなっていない。


ホツマツタヱでのタマヨリ姫の話。

ある日、タマヨリ姫が禊をしていると、丹塗矢ならぬ「白羽の矢」が軒に刺さり、実に覚えのない懐妊をして男の子が産まれた。


姫は一人で育て、男の子が三歳になると、軒に刺さったままの矢を指差して「父上だ❗」と言うと、矢は天空に飛んでいったのだそうな。

そんなことがあってから、男の子は「別雷神(ニニキネ)の生まれ変わり」と評判になった。

その子とタマヨリ姫を引き取りたい貴族が沢山現れたが、タマヨリ姫は全て断り、「タカノの森」に別雷の祠を設け、隠れ住んでいた。

タカノの森は、五色の雲が沸き起こるので「イズモモヂリ(出雲、五雲)」と呼ばれた。


その後、神の子が隠れ住んでいると聞いたウガヤフキアエズに呼ばれ、名前を聞かれる。

タマヨリ姫は、自分が海神族の娘であり、男の子は父がいない為に本名はなく、「人呼んで、『出雲の御子』と申します」と説明した。

タマヨリ姫の美しさに魅かれ、ウガヤフキアエズはタマヨリ姫を妻として迎え入れた。

また、男の子は『ミケイリ(三毛入野命)』と名付けられた。

ここまでで、「出雲」など気になるキーワードが出てきましたが、なんと、神武天皇の兄である「三毛入野命」は、ウガヤフキアエズの子ではなかったのです。


ちなみに、タマヨリ姫が神上がり(亡くなること)された後、可合の地にウガヤフキアエズと共に祀られた場所が、現在の賀茂御祖神社(下鴨神社)と言われています。


て、ことは…やっぱり日向と丹塗矢のタマヨリ姫は同一神じゃん⁉️

ということになりますね~。



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●余談
エジプトのピラミッドを建てたと言われる王『ミケイリヌス』と『三毛入野命(ミケイリノノミコト)』が関連しているのではないか…という話スゴい好き(笑)



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