昨年4月、2日間に渡って福島第一原子力発電所並びに被災地を訪問しました。
 
 

1日目は東京電力廃炉資料館に集合し、福島第一原子力発電所構内を見学させていただきました。構内は想像以上に広く、中でも汚染水の入った大きなタンクが所狭しに置かれている光景が印象的でした。実際に見ることができた範囲だけでもその大きさと数に圧倒されましたが、構内マップをみるとさらに多くのタンクが施設内に安置されているのを知って驚きました。

 

 

 

 

 

 

《福島原子力発電所の今後の課題》

 

日本政府は2021年4月、2年程度の準備期間を経て処理水(=汚染水から有害物質を限りなく除いた ALPS処理水)を海洋放出する方針を決定しました。

 

 

これに伴い「今後は風評被害にどう取り組むかが課題なのです」と担当者の方が説明してくれました。これは事故によって発生した汚染水処理をめぐる、すべての人に関係する問題です。

 

 

 

◯なぜ海洋放出する必要があるの?
「そもそも、ALPS処理水をタンクにためておけばいいのでは?」という意見があります。しかし、現在のALPS処理水貯蔵タンクの使用率は90%を超えているのです。もしタンクを増やたとしてもそこに貯め続けた汚染水が減ることはなく、雪だるま式に増え続けていくだけです。また、タンクを増やしたとしても、汚染水を動かすことができる構内には2~3年分しか保管できるスペースがないそうです。

 

被災地の復興を考えた場合、ALPS処理水を海洋放出しないという選択は、問題を先延ばしにする行為にしかなりません。科学の力で汚染水を安全な水に変えることができるようになった今、汚染水を貯めておくという選択は残っていないように感じました。

 

 

◯ALPS処理水ってなに?

まずALPSとは、トリチウムを除く62核種の大部分を除去できる多核種除去設備のことを指します。汚染された水をALPSなどで「安全に関する規制基準値を下回るまで浄化処理した水」をALPS処理水と言います。つまり、ALPS処理水は汚染された水とは違い、身体に害を及ぼさない安全な水です。

 

「ALPS処理水の海洋放出は安全である」という事実は、木野正登さんをはじめとする方々の懸命な説明会の実施により、地域住民の理解を得る事に成功しました。しかし、いくら地元の漁師さんや農家さんに海洋放出の安全性を理解してもらったからといっても、その安全性を知らない県外や国外の人 方々から「どうせ福島県産の農作物は汚染されているんでしょ?絶対に買わない!」と思われてしまっては、必死に育ってきた農作物が日の目をみることはできません。

 

だからこそ、ALPS処理水の海洋放出に対する理解が今すべての人に求められています。まずは知ることから、今回の勉強会ツアーが私たちにとってその一歩となりました。

 

 


 

 

 

 



↓.nogiha入村はこちらから!

 

記:.nogiha村民 ちゃっち