56本目:ロードス島戦記 -英雄騎士伝-GB | No Game, No Boy


「ロードス島戦記」とは日本におけるファンタジー小説の金字塔的な作品です。
作り込まれた世界観に魅力的なキャラクター、RPGでよく目にするモンスターや剣と魔法…様々な要素が当時の中高生に受けヒットしました。僕も昔ライトノベルを色々読んでいましたが、入口はこれでした。
ヒット作の例に漏れず、この作品もメディアミックス化されました。漫画にOVAにPCゲーム、ラジオドラマにドラマカセット…ドラマカセットって分かる人いなさそう。ドラマCDのカセットテープ版です。初期作ではディードリットが今は亡き鶴ひろみさんでした。
あとアナログなカードゲームもありました。各国の国王となって様々な宝を奪い合うゲームで、中学生の頃、友達と狂ったように遊んでました。ロードス島戦記を知らない友達でもしっかり遊べる良作だったと思います。

ただ、今と違いメディアミックス化の中でもアニメ化自体はOVAでされてましたが、TVアニメ化はだいぶ後の方でした。それがこのゲームの原作となった「英雄騎士伝」です。
まず、ヒロインのニースが原作の黒髪美少女から紫髪のアニメキャラに変わってることに愕然としました。その他、色んなキャラの見た目が変わってますがそんなの可愛いもんです。
肝心の話はというと、全7巻の小説の3~4巻のエピソードが始まり、それが終わると6~7巻のエピソードが始まります。ジョジョで言うといきなり第3部が始まって、その次に6部やるようなもんです。前後を知らなくても何とかなるけど、原作知ってる人からしたらあり得ない流れ。特に1巻(灰色の魔女)やらないとかどういうことだよ!それが一番大事でしょ!
まぁそんな事がありながらも全話見ました。もう内容覚えてないですけど。正直、wiki見るまで小説3~4巻のエピソードをやってたことすら忘れてました。
アニメの評判がどうかは知りませんが、これを原作としたゲームが本作です。

本作の前に、ロードス島戦記はパソコンや家庭用ゲーム機に移植されてました。僕が知る限りそれらは全てRPGでしたが、本作はRPG…と思わせてカードゲーム…と思わせてすごろくのような何かという、カオスなジャンルとなっています。僕的にはアドベンチャーだと思っています。

物語はすごろく状マップを進んでいき、規程ターン以内に目的地に着く必要があります。
マップのマスでは様々なイベントが起こり、時には戦闘が起こります。

主役のスパークをはじめ、キャラクターはカード化されています。それぞれ直接攻撃・魔法攻撃・特殊のステータスがあり、数字が割り振られています。スパーク→万能(器用貧乏)、ギャラック→直接攻撃特化、ライナ→特殊特化みたいな感じ。
…が、この数字が戦闘でどう作用しているのかさっぱり分かりません。
戦闘の際は先述の直接攻撃、魔法攻撃、特殊の枠にキャラクターを任意に当てはめていき、その当てはめ方で戦闘の行方が変わります。敵によって有効な組み合わせが違うので、有利な組み合わせを探るのが基本戦術です。
戦闘の行方はテキストで行われます。HPとかダメージとかが数値化されるわけではなく、現在どちらが有利かテキストで示されます。
勿論、経験値とかゴールドとかいう概念もありませんよ。
ジャンルをアドベンチャーと言った意味が分かって頂けたと思います。正直、サウンドノベルでもいいんじゃないか。

スーパーファミコン版のロードス島戦記はかなりバランスが悪かったとはいえしっかりとRPGしていましたが、本作はどうしてこうなったのか。ロードス島戦記は好きだし、ロードス島戦記といえばやっぱりRPGだと思うので、残念な感じでした。

ジャンル:アドベンチャー?
オススメ度:☆☆
一応アニメに準じているとはいえ、ロードス島戦記好きにもゲームとしては厳しいと思います。