5本目:聖剣伝説 FF外伝 | No Game, No Boy
 
 
※今回、ゲームの物語に関するネタバレが多数含まれています。
 
スクウェア(当時)の誇るアクションRPGシリーズの一作目。
今作のみファイナルファンタジーの外伝という位置付けです。
 
このFF外伝という言葉がタイトルに付いていたのは、少なくとも自分には結構効果がありました。
自分にとって、当時既にドラクエに次ぐRPG という地位を手にしていたファイナルファンタジーのシリーズならば面白いに違いない!という確信を持てるものでした。
そのため、発売して割とすぐに買ってもらった記憶があります。
 
プレイ開始後、いきなり始まる戦闘、仲間の死、脱走、そしてシャドウナイトに見つかり滝に落とされ…と息着く暇もない展開が繰り広げられ、ストーリーに一気に引き込まれました。
 
このゲームは「ゼルダの伝説」のようなアクションRPGですが、それに比べると難易度はだいぶ低く作られていると感じます。
嫌らしい攻撃や動きをする敵はあまりいないですし、ダンジョンの仕掛けや謎解きもほとんどがその部屋で完結するもので、ゼルダのようにダンジョン全体に関わる仕掛けというのはありません。
しかし、それでも物足りなさを感じるよりも、テンポよく進むアクションの快適さの方が勝っていました。
 
そして、聖剣伝説といえば感動的なシナリオこそ真骨頂と言えます。
瀕死の主人公(ヒーロー)を助けるために自分の命を懸けるチョコボや、ヒーローを世界を救う最後の希望と認めマナの神殿へ導き、自らは沈む塔と運命を共にするロボット、世界を守るマナの樹となるためヒーローと永遠に別れる選択をするヒロインなど、有名なシーンは数多いですが、自分は特にアマンダのシーンを挙げたいです。
 
ヒーローの脱走仲間であるアマンダは偶然再会したヒーローと共に、オウムに変えられた弟を助けるためメデューサを倒しに向かいます。
メデューサを倒すことには成功したものの、弟を元に戻すのに必要なメデューサの血を手にいれることが出来ませんでした。どうしようかと悩んでいたところ、アマンダは異変に気が付きます。
先程の戦いの時、メデューサに噛まれており徐々に自分がメデューサになりつつあったのです。
それを知ったアマンダは、ヒーローに自分を殺してその血で弟を元に戻してほしいと頼み、ヒーローは苦渋の決断を下す…というシーンです。
何がキツいって、ヒーローがアマンダを手にかけるところは自分で操作しないといけないことです。
単にイベントを見せるのではなく、実に効果的な演出が仕掛けられていました。
攻略本か何かに開発者のインタビューがあり、このシーンはアマンダが完全に魔物になってしまいヒーローと戦うという案もあったそうですが、この形で正解だったと思います。
 
そんな出会いや別れを繰り返した後に、宿敵シャドウナイトを倒したとき、ラスボスを倒したときに大きなカタルシスを得ることが出来ます。話は単純な勧善懲悪ですが、印象的なシナリオや演出で後世に残る作品にすることができました。
名作を作るのに、独りよがりで複雑な設定など必要ないんです。
 
新約、てめーに言ってんだ。
 
 
 
ここでラスボス戦に関する余談を一つ。
ラスボスは攻撃→テレポート→攻撃というパターンを取り、テレポートする場所はあらかじめ順番が決まっていました。
しかし初見ではそのパターンを掴むことは困難です。
初めてラスボス戦に挑んだ自分は苦戦し、HPを削られていきます。あと一撃で死んでしまうところまで追い詰められた僕は、慌ててその場でセーブしました。その直後に死んでしまいやり直しとなったのですが、再開は「セーブした地点から」となります。
そして自分がセーブした場所は、ラスボスが最初に登場する場所と重なっていました。
再開直後にラスボスに触れて死んでしまうヒーロー。何とか避けられないものかと十字キーを押しっぱなしにしてもダメ、回復しようとしても発動から回復にタイムラグがあるため間に合わず死亡…なんということでしょう、クリアを目前にして我がヒーローは「詰み」となってしまいました。
その後、初めからやり直し数日かけてクリアしたことも、思い入れが大きい理由なのかもしれません。
今同じことやったらきっと投げます。
 
今ではスマホにもリメイクされてるようですし、未プレイの方は本当に一度遊ぶことをオススメします。
壮大にネタバレしまくっといて何ですが。
 
ジャンル:アクションRPG 
オススメ度:☆☆☆☆☆
難易度は低めですが文句なしに名作です。