あんまり近くにいすぎて
気がつけなかった小さな思い
あなたは、気づいていましたか?
気づかなかった小さな思い
カチ、カチ、カチ、カチと規則的な時計の音がする。
静まり返った教室には、3人の人影
2人は何かを熱心に考えているようで、残りの1人はそんな2人を見守っている。
その中の1人にあたし、せつなは、いる。
背が少し低いこと意外は平均的な容姿
唯一平均的では無いのが頭のでき
そして隣の席に座っているのが、双子の兄のせんり
双子なだけあってあたしたちは似ている。
低い身長も、童顔な顔もそして頭の出来まで一緒
そう、あたしたちは二人そろって頭の出来が悪い。
なので必然てきに2人そろって居残り補修させられているというわけだ。
カチ、カチ、カチ、カチ時間だけが過ぎていく。
「うわあぁぁー、こんなのわかんない!」
そういってあたしは、シャーペンを放り投げる。
放り投げたシャーペンは、せんりに解き方を教えていた壱の頭に激突
壱はせんりの友達でとても頭がいい、だけどあたしに対してとても口が悪い
「うるせー!アホがせんりのい邪魔してんじゃねー!」
そういって壱は怒り出す。
アホの一言が頭にきたあたしは負けじと言い返す
「お前のほうが声が大きくてうるさいわー!」
すると壱は、立ち上がり一言
「やる」といった。
あたしも立ち上がり
「受けてたとうじゃないの」という
静かな補修のムードから一転教室は殺気立っている。
今にも何か始まりそうというときに
「2人ともストーップ!!」
せんりが割ってはいる。
「落ち着いてよ、早くプリントやって帰ろう(こんな所で喧嘩が始まったら俺が困るんだよ)」
そんなせんりの心の中の叫びは、つゆしらず
「せんりがそういうんだったらしゃーねーか」
「せんりがそういうなら・・・・」
あたしたちは叱られた子犬のように大人しくなった
「2人とも、きっと休憩してないからイライラしているんだよ。
俺なんか飲み物買ってくるよ、くれぐれも、くれぐれも大人しくしているんだよ」
そういってせんりは慌てて教室から飛び出した。
そして、あたしと壱はその場にとり残された。
(ど・・・どうすればいいんだろう・・・・)
別に壱のことが嫌いなわけではないが、いい合いをした後はさすがに気まずい
壱の方を振り向くとこっちをにらんでいた。
(こ、怖い)
さっきの強気な態度が嘘のようにあたしは怯えきっていた。
「オイ」
「は、ハイ!」
「続きやんぞ」
「え・・・・」
そういって差し出されたのは、さっき投げたシャーペン
「わかんねーのどこからだ、教えてやっからせんりが戻ってくるまでに終わらせるぞ」
「あ、・・えぅうえ・・・ここから・・・」
そういってわからないところを指差すと
「なんだ、かんたんじゃねーか」
そういいながら壱はあたしの隣の席、さっきまでせんりが座ってた席に来る。
(ち、近い・・・)
「ここは、この公式を使って・・・」
「こお?」
「ちげーよ、ここはだな・・・」
そして数分が経過し
「終わったー!さすが壱先生!学年一位!」
そう壱のおかげであたしが何十分かけても終わらなかったプリントがすぐ終わったのだ。
「まぁな」
壱はうれしそうにそういった。
(笑った顔久しぶりに見たかも・・・カッコイイ・・って何考えてんの!)
あたしは恥ずかしくなり思わず
「ちょっと、せんり探してくる」
と勢い良く立ち上がり、教室から出ようとする。
「お、おいちょっと待てよ」
そういって追いかけてきた壱があたしを引っ張る
突然引っ張られたことにより、あたしはバランスを崩し後ろへ倒れる
「あ、あぶね!」
そして必然的に引っ張った壱の腕の中へ
―抱きしめられている―
そう認識するのにそんなに時間はかからなかった。
けれどそう意識すればするほど、私の鼓動は速くなる、顔に熱が集まるのがわかる
あたしが固まっているのに気がついた壱が慌てて腕を離す
「わ、わりぃ」
きっかけは突然に
(あたし抱きしめられたの!?)
~おまけ~
「ど、どうしよう・・・・」
せんりは一人悩んでいた。
「きょ、教室に入れない・・・・・」
自分の妹と友達のあんな現場を目撃してしまい、教室に入れなくなってしまったのである。
見たくなかったこの瞬間
(結局せんりが教室に入れたのは、その五分後のことであった。)