アーチウェイまで来たら、ロンドンで最も有名な墓地、ハイゲート墓地へ行かない手はない。駅からは少し歩くが、南にロンドンの街を見下ろせるなかなか景色のいい場所だ。墓地は東と西に分かれているが、東にはロンドンパンクの父、セックス・ピストルの悪徳マネージャー、マルコム・マクラーレンが埋葬されている。葬儀の際はここからアーチウェイの駅まで、参列者が連なったというから、影響力は相当なものだったのだろう。

入り口でもらえる地図に場所が書いてあるので迷わないだろう(入場料は現在4ポンド)。ご本人の姿がそのまま墓石になっている。

セックス・ピストルズで数曲歌ったロニー・ビッグズが加わった大列車強盗事件のリーダー、ブルース・レイノルズの墓も入り口近くにある(本冊参照)。

 

 

また、同じく入り口近くにはソーホーの大型本屋、フォイルズの創業者の墓がある。本屋は盛況のようだが、墓は誰もお参りに来ないのか草ぼうぼう。日本の企業なら従業員が輪番で創業者の墓のお掃除をさせられさそうだが、そんな考えなどつゆほども浮かばなかったであろうイギリス人の気質が好きである。

 

もし、あなたが共産主義者ならカール・マルクスの墓も忘れずに。旧ソ連の援助で現在の場所に全体主義趣味の墓が作られる以前の、オリジナル埋葬地も記されている。こちらは奥まった場所で、ぬかるむ道に足を取られないためには、倒れた墓標の上を歩いていかなければならない。全体的にアナーキー・イン・ザUKの気分に浸れる場所だ。