池田浩士先生の『教養小説の崩壊』の感想 | R.Gallagherの世界一面白いブログ!!

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※SNSを再開した2012年の春頃に書いた文章です。


おはようございます。


今回取り上げるのは、

ドイツ文学者の池田浩士先生(この文章は現役学生のレポートでもなければ、大学教員の研究論文でもありませんし、何より僕の如き只のニート風情が高名な学者さんを呼び捨てにするのも、何となく気が引けますので、一切の面識は無くとも、ここでは敢えて“先生”と云う「敬称」を付けさせて頂きますm(_ _)m)の、

『教養小説の崩壊』です。

僕がこの本の存在を知ったのは、友人リンクをして頂いている現役学生さんの日記の中にその名前が挙がっていたからなのですが、
兎に角、直感的にそのタイトルからして面白そうだなと思いました。

何故そう感じたのかを申し上げますと、少し話が長くなりますが、僕にも「プロのロック・ミュージシャンになりたい」と云う気持ちとは裏腹に、「小説家にもなりたい」と考え、ソニーや東芝やユニヴァーサル・ミュージックにデモ・テープを送るように、実際に『群像』なり『文學界』なり『文藝』なりの新人賞に自作の小説を送り付けていた黒歴史(笑)がありまして、その時期(具体的に申し上げますと、二十歳から二十六歳ぐらいの頃です)に常々、「どうせ書くなら教養小説だよなあ」と思っていたからです。

僕が「教養小説」に拘った理由は簡単です。

何故ならそれが、「音楽なり文学なりその他の芸術なりの、兎に角『アート』を志す青年の成長(と、もしくは挫折)の過程を描く表現形式」だったからです。

要するに、自分の身の上話を虚構化して綴る事が出来るなら、
それが一番手軽で良かった訳です。

勿論そんな不純な動機だけではなく「芸術家を志す青年の苦悩や葛藤や、それらを生み出すその主人公達の『日常』そのものを、等身大のままに描いてみたい」と云う自分なりの青臭い「文芸理念」めいたものもありました。

ただし結果的に僕に書けたのは、
二十二歳の頃に最初に発症した統合失調症ゆえのその当時の家族以外のあらゆる人間関係の破綻への恨み節や被害妄想の産物等の、「教養小説」等とは微塵も呼べない内容ばかりだっただけではなく、質的にも赤の他人には読むに耐えない代物ばかりだったので(村上春樹さんの下手な物真似的な文章がそのほとんどでしたガーン)、
各新人賞には歯牙にも掛けられなかった訳ですが、
そんな「過去」があるだけに、
「叶わなかった自分の夢」そのものに言及していると、その題名からして思われるこの本を手に取って読んでみたくなった次第です。

と云う訳で前置きが長くなりましたが、そろそろ本題に入りたいと思います。

僕がこの本を読むに当たって、知りたかった事は一つだけでした。

それは、「教養小説は現在も『可能』なのか?」の一点に尽きます。

何せ題名の中に「崩壊」の二文字が踊っているのですから、「最早、教養小説はアクチュアリティーを失っている」的な論調で議論が展開されていたら厭だなと思いながら読み始めた訳です。

そして結論から先に述べさせて頂くと、これは「その手」の本ではありませんでした。

むしろそれとは逆に、「教養小説とは何か?」をその時代その時代に即して問い直し続ける事でしか、「教養小説の未来や可能性」を模索する手立ては無い事を気付かせてくれる本でした。

この本の中で言及されているテクストが、僕自身が読んだことが無いだけでなく、そのタイトルすら知らなかった小説や批評ばかりだったので、今すぐ多くを、それこそ専門的に語る事は勿論出来ないのですが、池田先生がこの本の中で何度も繰り返して述べられている事があります。

それは、「教養小説」が始めから「危機や崩壊の物語」である事が多いと云う点です。

何か一つの「夢」や「目的」に向かって生き直し始める主人公が、社会や時代の荒波などの様々な外的要因によって、精神的にも実生活的にも引き裂かれていくパターンが多い事を、池田先生は御指摘されています。

或いはだからこそ、始めから教養小説は「崩壊の物語」なのかも知れません。

この本を読ませて頂いて僕は、自分が「教養小説」を「形式」としては最低限理解はしていたけれども、その「歴史」や「内実」に関しては余りに無知だった事を、強く強く思い知らされました。

でも、だからと云って「教養小説」に魅力を感じなくなったのかと言えば、そうではありません。

むしろその反対に、「やっぱり教養小説って素敵だな」と云う考えを更に強くしました。

何故なら、この人類が続く限り半永久的に、「ミュージシャン」になりたいとか「小説家」や「画家」になりたいと夢想する若者は後を絶たない筈だからです。

そんな未来の若者達にとっても、「教養小説」は「自己」の「生」を投影出来る物語として、存在し続けるでしょうしまた、その時代その時代のコンテクストに即しながら書き直され続けて行く事でしょう。

そしてそんな「教養小説」についてこの上無く深くて分厚い考察が為されているこの本は、「ビルドゥングスロマン(=教養小説)」と云う言葉の響きに少しでもときめいた経験のある方には、是非とも読んでみて頂きたい本であります。

最後になりますが、この本の存在を僕に教えて下さった、友人リンクをして頂いている方には、
厚く、厚く御礼申し上げます。

本当に、有り難うございました。
m(_ _)m


それではまた、
次回の日記にて!!


追伸、ちゃんと始めから終わりまで読んだ証拠にと云う訳でもないのですが、特に感銘を受けた部分を箇条書きにして引用させて頂きたいと思いますm(_ _)m


「芸術家から市民への自己形成の道は、市民から芸術家への道となる。芸術を商品化しながら社会の外へ疎外した市民社会が、市民のなかから、芸術によってしか充実した生を生きられない人間たちを、生み出すことになる。」
※この文章の辺りでは主に、
ゲーテの『ヴィルヘルム・マイスターの徒弟時代』に代表される「芸術家から市民への過程」を描くドイツの教養小説が、イギリス(やアイルランド)では「市民から芸術家」へと逆転しながら、書き継がれて行った過程に関する言及が為されています。

「個性的人格の実現と社会的職務への成熟という教養小説の理念的支柱は、こうしてすでに、ジャン・パウルにおいては構造的に崩壊せざるをえなかった。」
※この一文の特に前半部分から分かる事は、「教養小説の主人公」は必ずしも「芸術家志望」ではなくても構わないと云う事ですねガーン
「教養小説」の実質においては、それも取り分けドイツでは、「成長過程」そのものの内容の方が、重要視されて来たようです。


【主なお薦めミュージシャンのリスト】

リアム・ギャラガー
ノエル・ギャラガー
バーナード・バトラー
エドガー・ジョーンズ
(エドガー・サマータイム)
ポール・ウェラー
ジョニー・マー
ジョン・スクワイア
リー・メイヴァース
スティーヴ・クラドック
マーク・コリンズ
マーティン・ブラント
ザック・スターキー
スティーヴ・ホワイト
レニ
フィオナ・アップル
キャット・パワー
スターリング・モリソン
ニコ
キャロル・キング
マリアンヌ・フェイスフル


【ウイイレの僕のチームの選手一覧】
(※勿論、バイエルン・ミュンヘンです)

1.ノイアー
2.メルテザッカー
3.メッツェルダー
4.ラーム
5.フンメルス
6.ケディラ
7.シュヴァインシュタイガー
8.ノエル・ギャラガー
9.リアム・ギャラガー
10.野本亮一
11.クローゼ
12.バラック
13.シュールレ
14.ダイスラー
15.ゲッツェ
16.クロース
17.C.ロナウド
18.トーマス・ミュラー
19.ロイス
20.ポドルスキー
21.僕の弟
22.カカ
23.エジル
24.クラマー
25.ドラクスラー
26.フリードリッヒ
27.ミハエル・シューマッハー
28.ラルフ・シューマッハー
29.本山雅志
30.シュターケ
31.ケール
32.キミッヒ
33.メッシ
34.イェレミース
35.松田直樹
36.ユリアン・ヴァイグル
37.大学時代のバンドのドラマーのI君
38.大学時代の一番の親友のN君
39.フェルナンド・トーレス
40.楢崎正剛
(※このチームに大好きなシェフチェンコやラウールやテュラムが居ないのは、彼等がゲーム内で所属しているレアル・マドリードやACミランやユヴェントスでの存在の大きさをリスペクトしているからです。逆にC.ロナウドやメッシやフェルナンド・トーレスが居るのは、エディット機能で新規作成した選手だからです)


【好きな女性有名人のリスト】

石橋杏奈(ピアノ)
吉岡里帆(ギター)
武田玲奈(ギター)
唐田えりか(ベース)
日比美思(ドラム)

畑下由佳(ギター)
岩本乃蒼(ベース)
笹崎里菜(ギター)
宮本佳奈(ドラム)

松山桐子(ベース)
馬場ふみか(ギター)
稲村亜美(ドラム)
本田真凜(ピアノ)

(※敬称略)


【恒例附記】

僕がノエル・ギャラガーにスカウトをされて、
プロのシンガーソングライターになれた場合の作品の構想は以下の通りです。


ソロ名義一作目:『モノローグス』
サンクチュアリーの一作目:『The Greatest Hits』

DISC1

1.First Words
2.Morning Light
3.黒いカーディガン
4.振り返ったら悲しくなるから
5.空の下で
6.美しい花
7.輝くために
8.影も視えなくて
9.冷たい女
10.償い
11.命綱
12.空を見上げただけだった
13.どんなことにも
14.奪還
15.生きて行くこと
16.不確かな予感
17.命綱(ストリングス・ヴァージョン)

DISC2

1.愛して下さい
2.ペルソナ
3.Crazy Love Melody
4.死に損ない
5.レクイエム
6.真実?
7.No More Dream
8.奏でるべきもの
9.ランドスケープ
10.ソング・オブ・ヴェスパ
11.光が射して
12.日溜まり
13.未来
14.永遠
15.ずっとそばに
16.オプティミスティック


サンクチュアリーの二作目:『シュトゥルムドゥラング』

1.ディスクール.1
2.ディスクール.2
3.フライング・アウェイ
4.スタンディング・アローン
5.シュトゥルムドゥラング
6.ジークフリート
7.汚れた指
8.リフレイン
9.恋は止められない
10.君のせいじゃない
11.ボタン
12.イマジネーション
13.虚勢
14.激情


サンクチュアリーの三作目:『トゥモロー・モーニング、(アイル・ハヴ・ア・フィーリング)ロスト・フォーエヴァー』

1.ありがとう
2.流れの中に
3.君を想って
4.ピュア
5.オーヴァーグラウンド
6.ブラックホール
7.イヴェント・ホライズン
8.ユニヴァース
9.青の座椅子
10.朝顔
11.昼下がりの背徳
12.流れた星が凍った夜に


サンクチュアリーの四作目:『完璧な幸せ』

以下、収録予定曲

ロックンロール・スター
情況
話していたい
何処にも行かない
少しずつ
残像
行かないで
贖罪
自由
世界の何処かに
晩餐
完璧な幸せ