『雨』vol.2 | R.Gallagherの世界一面白いブログ!!

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図書館がある区民センターに着くと誠一は直ぐに畳んだビニール傘を浸水防止用の袋に入れた。そしてエスカレーターで降りて、地下の図書館に入った。
図書館には誠一のお気に入りの司書がいた。
その司書の女性と誠一とは数奇な縁で結ばれていた。図書館は就労移行支援事業所の近くにあったが、誠一が事業所への通所を始める前に在籍していたデイケアを併設している病院の最寄りの図書館から事業所の近くのその図書館に、司書の女性は異動になっていたのだ。
つまりは誠一とその司書の女性とは、二軒の図書館で出逢っていたのだ。
その異動を直接口頭で確認した際の誠一のテンションはかなり高まったが、最近は全く見掛けなくなっていた。きっと既婚者で、産休にでも入ったのだろう。
『エール!』の第2巻をカウンターで受け取ると、誠一は閲覧室のソファーに腰を掛けてパラパラと目次を目にした。
「確かに面白そうなんだけど、今の俺の気分にはフィットしないんだよな。予約してるからって何度もここに呼び出されるのも億劫だし」と思った誠一は、即座に返却して不審に思われるのを避ける為に、眼前の雑誌コーナーの棚に掛けられていた村上春樹が表紙巻頭特集の『ニューズウィーク』の最新号を手に取って10分ばかり時間を潰した。
もう充分だと感じた誠一は雑誌を戻すと再度カウンターに向かって『エール!』の第2巻を返却した。
「ついでに他の本の予約状況を教えて貰えますか?」と誠一は例の司書とは別の女性の職員に訊ねた。
「それではこちらにいらして下さい」
予約専用のパソコンの前に促されるままに案内された誠一は、その一覧を見せて貰った。
西原理恵子の『生きる悪知恵』と川村元気の『世界から猫が消えたなら』はまだ先約が百人以上いた。
「あ、この早川義夫さんの『たましいの場所』の文庫版は消しちゃって下さい、もう買っちゃったんで」と誠一が頼むと、「了解りました」と職員の女性は応えた。

区役所の総合支所での保険証の切り替えの手続きは思いの外早く済んだ。

誠一は書店に寄って『サイゾー』だけを軽く立ち読みすると、直ぐに古巣の就労移行支援事業所に向かった。

事業所の中に入って恐る恐る奥の方に「今日は~」と声を掛けると、微かに歓声が上がった。
誠一を担当していた職員の村井さんが近付いて来た。
「また痩せたんじゃない?」
「多分そうだと思います」と誠一は照れながら応えた。

面談室に通されると、誠一は村井さんに就職後の現状を報告した。
「順調そうだね?」
「そうですね、特に問題は無いです」
「あ、そうだ、先月分の交通費を渡さなきゃ。ちょっと待ってて」
「良かった~」と内心では強く感じた誠一は、「はい」とだけ、猫を被って穏やかに返事をした。
「他にも諸々の単位が残ってるんだけどさ、工賃に反映されるのが来月なんだよ。別に大丈夫でしょ?来月の外来の日にまた来て貰えれば渡せるからさ」
「勿論です」と本性では金の計算に細かい誠一は即答した。二ヶ月や三ヶ月に一回、纏めて作業料が事業所に支払われる仕事が多い為、斯様な事態が起きる。全て想定済みである。
「まだ昼まで一時間ぐらいあるけど、どうする?みんな御中元の販売のミーティング中だけど」
「ちょっと調べたい事があるので、デスクトップのパソコンを触らせて貰っても良いですか?」
「勿論」
本当は特に検索したい事は無かったのだが、パソコンの前に座ると誠一はふと、自分が卒業した大学のHPを開いた。
何気無く採用情報をクリックすると、誠一は恩師の一人である日本近現代文学の先生が今年度で定年を迎える事を察した。
恩師の後釜に座る為に応募したい衝動に誠一は駆られたが、応募資格に「博士号、若しくはそれに準ずる学術的業績」と「国語の教職課程の授業を担当」する必要がある事を目にすると誠一は、
「こりゃ無理だな」と途端に苦笑いをした。

昼休みの時間が始まる正午の5分前に誠一は事業所を後にした。

駅前のチェーン系の天丼屋に入り席に着いて穴子天丼の大盛を注文すると誠一は直ぐに思い切って、Amazonで家入レオとビーディ・アイの例のアルバムを二枚ずつ注文した。


【附記】お早うございます。
シュヴァインシュタイガーが率いるバイエルン・ミュンヘンがチャンビオンズリーグの決勝でドルトムントに勝ちましたね!!

感無量です!!

しかし、結果がどうあれ自分がシュヴァインシュタイガーのファンである事は一生変わりません。

何故、そこまでシュヴァインシュタイガーに拘るのか、良い機会なので今回はその点に関しましてご説明させて下さい。

先ず、F1のミハエル・シューマッハーがきっかけで、子供の頃からドイツと云う国が好きでした。だから、サッカーの大きな大会があると、ドイツ代表にはどんな選手がいるのかをチェックする様になりました。マテウス、クリンスマン、ザマー、カーン、ダイスラー、クローゼと云った面々でしょうか。しかし決定的だったのは2006年のドイツW杯の開幕戦でした。いかにもセンターバックにいそうなゴツい外見とは裏腹に中盤からスピーディーにドリブルで前線に駆け上がっていくシュヴァインシュタイガーの姿を初めて視た瞬間、それまではラウールやシェフチェンコが好きだった自分は、これからはドイツを軸にサッカーを観ようと心に決めました。
今となっては、元々はサイドからヤンチャに攻撃に参加するタイプの選手だったシュヴァインシュタイガーも、2010年頃にバイエルン・ミュンヘンでもドイツ代表でもボランチにコンバートされて、攻守に亘って献身的にチームに貢献する選手へと変貌を遂げましたが、自分は中身も容姿もひっくるめてシュヴァインシュタイガーという人物そのものが大好きですので、これからも今まで通りに応援したい気持ちに変わりはありません。

それにしても、嬉し過ぎます!!
シュヴァインシュタイガーにとっては、
初の国際的なビッグ・タイトルですから!!


それではまた、
次回の更新にて!!


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