単行本『踏み跡にたたずんで』
小野正嗣(著)
毎日新聞出版(出版)
土地と人々の記憶が紡ぐ光景は、
夢なのか
現か
それとも幻なのか
こんな体験があるような気がするけど
言葉で人に伝わるように説明するのは難しい。
そんな記憶を散りばめたような
懐かしくて、不可思議な掌編小説集。
ほどよい光の下で、
微睡みながら読むと
世界観が伝わって来ます。
「スイギュウのまなざし」では、観察力を教えてもらい、
「じゃう湖畔で」は、水と緑か支え合うシーンが
ぼんやりと浮かんで来ます。
短編集ですが、どれも凝縮されていて、
刺さる物語です。
表現力、語彙力は本当に素晴らしいです
※『毎日新聞』(大分県版・西部版)連載を
加筆・修正し単行本化された一冊です。