ここ数年、何かと忙しいし、車での移動が増えたため、
めっきりと本を読む量が減ってしまっています(´;ω;`)。
でも、元々、小・中・高校全てにおいて、
図書委員&図書委員長(持病あったのにw)を務めるほどの本好きで、
酷い時は1日3冊くらいのペースで読んでいた私。
本を読む事は止められる筈もなく、
出張の際の電車やバスの中では、普段読めない分を埋めるかのように、
むさぼるように読んでいますw。
最近読んだのは、今さらながら(^^;)葉室麟さんの「蜩ノ記」と、
安田依央さんの「出張料理・おりおり堂」と、その続編。
「蜩ノ記」については、直木賞受賞作でもあるし、
「充分に面白かった」とだけ、言うに留めたいかな。
もともと、そんなに書評って好きじゃないですし。
でも、「おりおり堂」については、書評って訳じゃなく、
ちょっと語りたくなってしまいましたw。
なんていうか、自分が飲食の世界で生きていきたいと思い始めた頃からか、
それが叶うかもしれないと思い始めた頃からか、
私は、料理に関する小説を多く読むようになりました。
「かもめ食堂」「みおつくし料理帖」「食堂かたつむり」などなど。
今回も、表紙の美味しそうな料理写真や
「出張料理」というジャンルに興味を惹かれて、
図書館で借りてきたのでした。
借りる前にパラパラとめくってみた感じでは、どうやら、
私にとっては、どちらかといえば苦手の部類に入る「恋愛モノ」w。
それでも、まあ、モノは試しと思って。
思ったよりも、“当たり”でした(>▽・)b。
確かに「恋愛モノ」だし、平たく誤解を恐れずに言ってしまえば、
それほど突出して面白いわけでもありません。
起こる出来事も、こういう小説には良くあるパターンだし、
結婚を焦るアラサー主人公に、イケメンだけど無愛想で訳ありっぽい料理人、
脇を固めるのは品の良いお婆さんオーナーやゴツイ乙女なゲイ……
悪く言えば、「よくある話」といった雰囲気。
でも、語り口が軽い割に、恋愛以外にも、
結構重いテーマが盛り込まれていて、すんなりと読み進められました。
特に、イケメン料理人・仁さんの料理に対する想いや姿勢は、
彼のような天才でもなく、むしろ素人な私が言うのもおこがましいですが(笑)、
すごく、共感するところが多くありました。
何よりも、「自分の作った料理を、誰かが幸せそうに食べるのを見たくて、
料理人になった」というその動機。
まあ、多くの料理人は、そうなんじゃないかとは思いますけどねw。
私が目指すもの、目指したい場所の再確認になりました。
料理の腕も、まだまだ修業中も修業中の素人だし、
人を雇うお金の余裕も稼げるアテもないし、
そんな中で、どういう形にすれば、お客様を満足させられるのか。
お客様に「幸せな顔」になってもらえるのか……。
そしてそれを、私自身が実感できるのか。
その上で、「生活」が出来るだけの稼ぎを叩き出さねばならないという、
それはもう、難問中の難問(><)。
それでも、決して100%無理な事じゃないと思うから。
だから、考える
だから、諦めない。
……いつの日か、せめて、仁さんの足元に届くくらいの
料理の腕前になれたらいいなぁ……(笑)。