久「夜だ…」

(やっぱり人名では辿り着けなかったか)



転送された先はどこかの夜の世界

辺りを見渡しても明かりはなかった



久(山?崖か、ここは…)




「やーっ!!!」


「えぃっ!!!」





久(ん?誰の声?)



近くに人気は無く、声のする方を見ても

誰もいなかった



もう少し近づこうと足を踏み出そうとしたが

坂になっていることに気づかず

そのまま下へ滑り落ちてしまった




久「いったぁ……」




起き上がり、怪我がないことを確認する




?「めっちゃ可愛い人…」



?「いや、あれは本で読んだ…幽霊だよ…」



?「ほんまや、身体が光ってる」



?「幽霊って…

あの夜に出て人襲うとかいうやつ…」




自分の周りので、さっき聞こえた声と

似たような声がして久美は顔を上げる




久・?「「あっ!!!」」



?「ひぃっ…」




久「いや…あはは…違うんですよ、これは」




?「わ、私も…そんなつもりは!

襲わないでください!私達何もしてません!」

 


久「っ…?」



?「???」



久「襲う…?」



?「だっ…だって…幽霊ですよね」



久「幽霊?」



?「こらこら、べりな!話しちゃダメ」



?「かほりん…

だって、そんな悪そうに見えないし…」



久「君たち…」




「あぁーっ!!!」



話を遮るように坂の上から声がする



「いたいた!見つけた!!!」



坂の上から走って降りてくる少女に

久美は見覚えがあった



「本当に来てたんですね、久美さん!」



久「茉莉ちゃん…」



茉「いやぁ、まさかまた会えるとは!

って…身体が光ってますよ!」




久「えっ…あ、本当だ…」




茉「やっぱ、久美さんって宇宙人じゃなくて

天使なんですよ!

ほら、前に人を幸せにするとか言ってたから!」




久「まぁ、ここでは…

そういう扱いになるのかな?」




果「あの…本当に天使ですか?」




久「いやぁ…まぁそんな感じかなぁ〜」




莉「あのっ…私たちを助けてください!!!」




久「えぇっ!?」




茉「じゃあ私も手伝わせてもらおうかな〜」




莉「よろしくお願いします!」




久(これは救援要請いるか…?)




久「ところで、茉莉ちゃん。」





茉「はい」




久「君って、何者なの?」




茉「私ですか?

まぁー、言ってるじゃないですか

天才だって!えへへ〜」




久「そっか…」

(どうもおかしいんだよな…

だって、さっきも私ハッピーオーラ製作委員会

の話は詳しくしてなかったのに知ってた…)




莉「あの…名前教えてもらっても良いですか」




久「あー、私は久美って言います」




茉「私は…」




莉「名探偵のまりぃさんですよね」




茉「えっ…あ…っ…」




久「茉莉ちゃん、名探偵だったの!?」




茉「いやぁ…まぁそんな驚かれるほどでも

無いですし…莉奈ちゃんなんで知ってるの…」




莉「この街ではなんでも解決してくれる

天才名探偵がいるって有名ですよ!」




茉「いやぁ〜それほどでもぉ…」




久「なら、はじめから茉莉ちゃんに

頼めばよかったんじゃない?」




果「それはそうなんですが、

私たちは夜行性で…頼る術がなかったのと

皆さんが起きている時間に活動するわけでは

ないので…」




久「活動…?」




果「そうです。私たちは一応この街の

高校生ですが、夜はこうして集まって

明日もまた平和に暮らせるように

カルムと戦っているんです」




久「カルム…?(初めて聞いたな。

私たちの国には存在しないのかな)」




茉「なるほど、そういうことか…」




莉「何か思いついたんですか!?」




茉「いや、何も思いついてない!」



久(おいおい…

本当にこの子名探偵なのか???)



to be continue…