特別清算の第2回目です。今回は、「特別清算申立て」についてです。
1 管轄は「会社の本店所在地を管轄する地方裁判所」です。
2 特別清算開始の原因は「清算の遂行に著しい支障を来すべき事情」(会社法510条1号)〔例えば、会社の債権者が多数で利害関係の複雑な場合…ただし、この原因で申し立てられることは、まずありません。〕又は「債務超過(清算株式会社の財産がその債務を完済するのに足りない状態のこと)の疑いがあること」(同条2号)です。
3 申立人
債権者、清算人、監査役又は株主は、特別清算開始の申立てをすることができますが、清算株式会社に債務超過の疑いがあるときは、清算人は、申立てをしなければなりません(義務的申立て)。
4 手続費用
(1)申立人に手続費用の予納義務があります(会社法888条3項)。特別清算開始の命令があった場合には、手続費用が会社の負担となります(会社法890条3項)だから、清算人が申立てをするときは、一旦立て替えることが必要で、あとで会社に費用請求できることになります。
(2)費用の内訳
① 申立収入印紙 2万円
② 申立郵便切手 協定型:3,540円 個別和解型:3,040円
※ 協定型というのは債権者集会を開催する法律が予定している型です。私が紹介した会社分割→特別清算型や、子会社整理型は、通常「個別和解」型です。詳細はあとで説明します。
③ 予納金 支障がない場合(=債権者全員からの特別清算開始申立てに関する同意書がある場合) 協定型:5万円 個別和解型:官報公告費用(8,360円)だけ
支障がないと言えない場合(=同意書がそろわない場合)東京地裁は破産予納金相当額。大阪地裁は調査委員の報酬相当額。
5 特別清算開始の条件
次のいずれかの場合を除き、特別清算の開始の命令がされることになります。
(1)手続費用の予納がないとき
(2)特別清算によっても清算を結了する見込みがないことが明らかであるとき(例えば、大口債権者が反対している場合や、特別清算を利用すること自体は反対ではないけれども、協定や個別和解による債務弁済での清算が見込めない場合)
(3)特別清算によることが債権者の一般の利益に反することが明らかであるとき(例えば、仮に破産を選択した場合の清算価値予想値と、特別清算の清算価値予想値を比べて、前者が後者を上回る場合)
(4)不当な目的で特別清算の申立てがされたとき。その他申立てが誠実にされたものではないとき。
6 特別清算申立ての必要書類
会社登記事項証明書
解散時のBS、PL
臨時株主総会議事録(解散決議、清算人選任)(BS、PL承認)
直近2年間の決算書類
解散時の株主名簿、債権者名簿、債務者名簿
債権者の同意書(これが重要)
清算人履歴書、清算人の報酬放棄書(これがないと、特別清算手続が終了する際、裁判所が報酬決定をする。)
定款
解散官報公告写し
ざっくりした清算結了までのスケジュール表
次回は開始命令が出されたら……です。