大越一毅司法書士のブログに読者登録するためだけのつもりだったので、このような文書を書いている自分に驚いています。
大越一毅司法書士をはじめ、大越先生がセミナーで推薦していた商業登記全書を執筆されている司法書士の先生方のように、商業登記(というより、会社法に基づくリーガル・サービス全般)で活躍できるように、研鑽したいと考えています。
とはいえ、そんなお仕事ばかりでもないわけで、今日書くのも、不動産登記(しかも、他の司法書士の方が遭遇した事案)のことです。
先日、お世話になっている司法書士の方から「こんなケースに遭遇している同業者がいるのだけれど。」と相談がありました。
法人(株式会社。破産手続開始決定済)所有不動産、個人(破産手続開始決定済)不動産に共同(根)抵当権が設定されているが、その抹消登記を依頼されたとのこと。ここまでなら、何でもない事案ですが、個人が破産手続開始決定後死亡されている事案です。
破産法227条は「裁判所は、破産手続開始決定後に破産者について相続が開始したときは、当該相続財産についてその破産手続を続行する。」と定めています。この場合の破産財団および破産債権の範囲は、原則として従前と変わりません。そうなると、ここでいう「破産財団」と、破産者の死亡によって生じる相続財産は一致しないことになります(相続財産には自由財産や新得財産が含まれる。)。
このようなケースにおいて、任意売却がなされた場合どうするかについては、仙台司法書士会の
中村清志司法書士のホームページで紹介されています。任意売却の前提として、原因を「平成○○年○○月○○日(破産者Aの死亡年月日)破産法第227条に基づく破産手続き続行」とし、変更後の事項を「亡A相続財産」とする登記名義人氏名変更登記をするというのです。任意売却の場合には、破産者死亡の経過を明らかにする意味からも、表示の変更登記をすることが望ましいのかも知れません。
ただ、本件では、抹消だけというところが気にかかります。もし、本件不動産が任意売却が望めないような物件であるときには、財団からの放棄も考えられます。そのような事態に立ち至った場合、誰がどのような方法で表示変更を行うか……といった疑問が沸いてきます。
旧破産法では、被相続人が破産宣告を受けた後死亡した場合においては、相続人による免責申立てを認めないのが通説・判例〔高松高決平成8年5月15日判時1586号79頁〕でした。新法においては、破産手続開始申立時に反対の意思表示をしない限り、当該申立てと同時に免責許可申立てをしたものとみなされています(破産法248条4項本文)が、相続人がその手続の続行を求めることは認められないでしょう。だとすると、相続人は、相続開始を知った日から3か月以内に限定承認や相続放棄の申述をしなければならない場合が考えられます。
処分の前提として、限定承認の場合には相続登記が求められますし、相続人が全員相続放棄をし、相続人不存在となった場合には、相続人不存在という意味での「亡A相続財産」と表示を変更する必要があることになります。
自分の中では、今だ結論は出ていません。
皆さんはどうお考えになりますでしょうか。