今回のテーマは文字言語と貨幣についてです。この記事は以前に書いたものです。
19/02/07
文字言語と貨幣という一卵性双生児
以前に「文字言語」と「貨幣」は、その根源が同根であるということを論じたことがある。古代の中東地域を中心に粘土製のトークンである、いわゆるクレイ・トークンが発達したのだが、文字と貨幣の共通祖先であるとされている。
立体型のクレイトークンの押し型がやがて、楔形文字へと発達し、クレイ・トークンによって、数字概念を得たトークンがやがて貨幣へと発達していく。
文字言語と貨幣は近接関係にある、あるいは双生関係にあるとしたならば、文字言語に貨幣としての属性が含まれており、あるいは貨幣の中に文字言語の属性が含まれているとも考えることもできるだろう。
人間の言葉巧みさや言語的知性のある所に貨幣が流入してくるように、文字言語ばかりではなく音声言語を含めて言語活動そのものが経済活動となっているかのような側面もある。
貨幣が人間の欲望を掻き立てるように、文字言語や音声言語も、いいや言語こそが、有史以来、人間の欲望を巧みに操作し続けてきたのである。
この操作される人間の心理が、よきものとして働くのか、あるいはあしきものとして働くのかの別を問わずに、いずれにせよ、言語的活動が、経済活動、あるいは貨幣の交換に大きな意味を持っているというのは否定し難い。
言葉の力
時に公平性を欠いた、不公平なる特権も、言語活動の中から、言語認識の中から生み出されたのであり、このような不公平性は、言語活動の中からでなければ指弾されることもない。あるいは、言語的操作によってでなければ是正もされない。
さて、ここで私たちは逆に言語的特性と貨幣的特性の差異、違いを見出すことによって、言語的特性の優位性あるいは貨幣的特性の優位性を見出すこともできるだろう。私たちはしばしば言語的特性の優位性よりも、しばしば貨幣的特性の優位性にばかり捉われるものであるが、しかし、言語的特性の優位性によって、私たちの活動はより有益なものへと導くことができるものと推測できる。
言語には時に既存の貨幣的価値観さえも転換し、無効化するほどの効果がある。例えばとある大企業が実はほとんど税金を納めていないなどという話があるが、これも言語的活動を元に勝ち取った行為、言い換えるならば、謀略の一種である。このような価値観を仮に再び転換するにせよ、強力な言語活動が必要なのである。おそらくそこには貨幣活動それ自体も介在してくることだろうが、それと同時に言語活動という要素は切り離せない。
最後に
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