この記事の内容は、様々な資料をもとに書かれています。

 

内容の中には一部ないしは全体を通して、資料に基づく偏見や誤りがある可能性があります。また、筆者自身による偏見や誤りがある可能性も当然否定できません。

 

できる限り公平かつ事実に基づいて記事を書きたいと考えていますが、この点を踏まえていただけましたら幸いです。

 

今回のテーマはグラン・オリオン・ド・フランスです。

 

それでは見ていきましょう。

 

 

はじめに

 

グラン・オリオン・ド・フランスとは、1773年にフランスに設立されたフリーメイソンのロッジで、フランスでは最古にして最大のグランド・ロッジになります。

 

フリーメイソンにあってイギリス、イングランドのプレミア・グランド・ロッジが重要な地位にあるように、フランスあるいはヨーロッパ全体でグラン・オリオン・ド・フランスは重要な地位を築いています。

 

日本では大東社と訳されることが多く、多数の書籍に登場します。

 

オルレアン公ルイ・フィリップ2世

 

フランス初期のフリーメイソンは18世紀のはじめ頃には現れ、現在のグラン・オリオン・ド・フランスが誕生したのは、グランド・マスターのオルレアン公ルイ・フィリップ2世がそれまで存在したロッジを再編したところに始まります。

 

オルレアン公は自身の宮殿であるパレ・ロワイヤルを歓楽街として使用し、ギャラリーや書店、サロン、カフェ、レストランなどが開かれ、多数の貴族、知識人、学生、金融業者たちが集まっていました。夜には非番の兵士や売春婦なども出入りしていました。

 

後にこのパレ・ロワイヤルは、「革命の発祥地」とまで言われ得るようになります。

 

 

フランス革命

 

フランス革命の革命家たちの中には多数のフリーメイソンがいたと言われています。

 

ラファイエット、コンドルセ、ミラボー、ダントン、エベールといった革命家たちがグラン・オリオン・ド・フランスのメイソンです。

 

ジャコバンクラブもフリーメイソンのロッジに通じる組織です。またスコットランドのジョン・ロビソンは1798年の著作においてジャコバンクラブはイルミナティが作ったと主張しています。

 

近代保守主義の祖とされるエドマンド・バークも1790年からイルミナティの存在についてフランス革命とのかかわりを示唆しています。

 

ジャコバンクラブ

 

ジャコバンクラブについては、以前にも紹介した通り、イギリスでジェームズ・ギルレイの風刺画によって、カニバリズムの風習が示されています。

 

 

エドマンド・バークもまた同じようにジャコバンクラブがカニバリズムを行っていたということを示す文章を残しています。

 

「われわれは人食いの慣行を挙げてよかろう。現に彼らの各党派はこれの最も厳密な用辞、最も明白な正確さで互いに相手を糾弾している。

 

私はこの食人の慣行なる言葉で、彼らがその凶暴な行状の滋養のために彼らが殺戮した敵の身体の一部を食い血をすすり、さらに犠牲者自身にも無理やり彼らの目の前で殺害された肉親の血を飲ませる慣行を指して言う。

 

私はまた食人慣行の語で彼らが殺害した者の屍体に加える各種の言語道断の卑劣かつ唾棄すべき侮辱をも意味する。」 ――『国王弑逆政府との講和』1796

 

 

 

これらは全く現在アメリカやヨーロッパでささやかれる恥ずべき事件の多くと内容が一致しています。

パリ・コミューン

 

グラン・オリオン・ド・フランスは、パリ・コミューンにも重大な影響を及ぼしていると言われています。

 

リュック・ヌフォンテーヌによると数千人のメイソンがパリ・コミューンの代表団に護衛されデモ行進をし、バリケードの上でメイソンの旗を掲げると攻囲軍が攻撃を辞めたと言われています。

 

パリ・コミューンの首謀者のほとんどが、マルクス主義者あるいは無政府主義者で、インターナショナル運動の影響を受けた人たちです。

 

第一インターナショナル運動にはイタリア統一運動のジュゼッペ・マッツィーニのようなフリーメイソンが多数いたように、マルクス主義や無政府主義とフリーメイソンとの関係もまた、切っても切れない関係にあります。

 

繰り返しますが、グラン・オリオン・ド・フランスはその設立の早い段階から、イルミナティと深いかかわりを持っていたわけです。

 

まとめ

 

他にも『フリーメイソンの秘密』(1892)で知られるフランスのレオ・タクシルは、フリーメイソンの黒ミサ、ロッジの悪魔、生贄の子供の殺人などを暴露した書籍を残しています。

 

フリーメイソンを擁護するヌフォンテーヌはこれを妄想であると断定しますが、すでにそれよりも百年早く同じような内容の記述がみられる以上、妄想と断定する方が無理があります。

 

ほかにもバタイユの『悪魔のフリーメイソン』や、ジュール・ドワネルの『仮面をはがされた悪魔』などの著作もみることができます。

 

フランス革命以後、フランスのフリーメイソンに関する陰謀の著作は革命以来、常に繰り返し言及されてきたことです。これらのすべてをフェイクであるというのは無理があります。

 

しかしながら、残念ながらこの種の議論には全く耳を傾けない人たちが多いわけですが、流石に最近の溢れんばかりの彼らの悪魔的所業を前にしては、もう欺き続けることは難しくなってきています。

 

さいごの一言

 

最後までお付き合いいただきありがとうございました。ご感想などありましたら、気軽にコメントください。

 

 

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