映画
「ナミビアの砂漠」 

 

21歳のカナ(河合優実)
いつもなにかに苛立ち、なにを見てもくだらなく思える彼女は
優しいけれどつまらない彼氏を捨てて、新しい彼氏とラブラブになるも
またすぐイライラする自分を持て余す

一体、彼女のこころはなにを求めているのか…?




なげ。


なっげえ映画!




ごめん暴言吐きます




カナって、頭が悪いだけだと思う



カナがなにもかもつまらなくてイライラするのは、

頭が悪いからだよって言いたくなった



いるよね〜


自分の頭で理解できないことに直面すると、とりあえず臨戦態勢になる人


わからないので説明お願いしますって言えない人



誰しも、人の気持ちなんて全部はわからないし

自分もその立場になってみないと実感なんて持てないけど


それなりに想像して共感したりしてるわけですよ

で、わからなくて自分の精神に悪影響になりそうな思考は無意識にシャットアウトしたり

取捨選択してるんですよね



カナはそれができないひと

それができない自分を、もしかしてちょっと賢いとか正直とすら思ってそうな



でも現在、カナは若くてカワイイ

彼氏に暴力暴言やりたい放題でも食わせてもらえる


こういう人って、基本このままだから

このまま生きていくしかないと思うんですよね



馬鹿だから強いのか強いから馬鹿なのかわかんないけど



カワイイ+根拠のない強さを武器に

DQNのままやっていくのが本人に取って一番楽じゃないかと思った


そしたらさぁ



中盤すぎて、カナったら

「自分ってなんかおかしいのかな?」とか思い始めて


精神科とか行きはじめた!




いやいやそんなん気づいちゃダメでしょ

気づいちゃったら(カナの)世界が崩壊するよ



自分がバカだということは無視して

さんざん周りを見下していままでやってきたんじゃん



医師から「双極性障害か、パーソナリティ障害かもしれません」とか言われるんだが


病名以前に


知能テストでもやったら一発じゃないかと本気で思う

(馬鹿にしてるのではなく、そこで生きづらさが発覚するケースは多い)



予約もしないで突然カウンセリングに来ちゃったり

カウンセラーさんに「今度ごはん行きませんか?」とプライベートな誘いをしちゃったり


こういうとこにも距離感のバグり、アタマの悪さが垣間見えるというか



彼氏の両親の集まりに顔出す時に

遅刻しそうなのに手土産のことばかり気にして

「常識ないって思われたくない」って言ってるのも

カナはうすうす自分がバカって気づいてて、それを取り繕いたいと思ってるのかもしれない



観てるこっちからしたら

カナ、常識なんてとっくにないじゃん…って感じだけど




で、ここにきてカナの前に

突然、メンター的なキャラが2人も現れます



一人は、前述のカウンセラー



もう一人は、隣人のナゾの女性(唐田えりか)



これまでさんざん周囲を見下してなにを言われても響かなかったのに

このふたりの言うことはなぜか素直に聞けるカナ



なんか私、このシーン見て

むしろカナの精神的死の表現じゃない?とすら思えた



なんかやけに落ち着いてしまって

もはや、脱力感さえある



あんなにバカみたく繰り返してた彼氏との喧嘩も

途中で力尽きて止めるみたいな



カナなりの精神の成長、と捉えることもてきるけど


いやぁ…私は

まわりじゃなくて自分がバカなんだということがわかって

カナが精神崩壊したんじゃないかと感じた



唐田えりかとの出会いも

マンションの隣人のはずなのに突然森で焚き火してて

突然ふたりでキャンプだホイ歌い踊り始めたりして

あきらかにおかしいもん!滝汗どうした二人とも



こんなの、あの世の出来事だろ!



だから私の中でこの映画は、バッドエンドですねぇ😌



なんも考えず、これからも彼氏と周囲にイラ立ちながら

ぼーっと彼氏にたかって生きていくのがカナの一番幸せな生き方だと思うから。



でも、


自分の身近の人の言葉だと

どうしてもアラが見えて共感しづらいのに

ちょっと自分から離れた人の話だと妙にスッと心に入ってくるところや



彼氏との不毛な喧嘩を繰り返すことは、

まるでお菓子を食べながらルームランナーの上で走っているようなものだと思って

不意にやめるシーン



そういうところは共感できた

私の場合でいうと、現実より小説のほうが共感しやすいところがある




前半は、これまで書いたとおりカナの馬鹿さが目についたが


後半、気持ちの変化が表れたり

詳しくは明かされないが、カナの出自や生育環境でのコンプレックスみたいなものが描かれ

そういう影響で、自我の一部分が成長しきらない苦しみもあると思うと胸が苦しくなった


カレシが元カノを中絶させていたことに固執して激昂するのもなにか過去が関係するのかも



河合優実さん、すごく良いですね

カナの美しいけれど清潔感はない感じ、絶妙な魅力です



カナの元カレと今カレ、どっちもいい具合に残念でいいですね



めちゃくちゃ世話やきで、カナが浮気して酔っ払って帰ってきてゲロ吐いてるのに

かいがいしくお世話したあげくピルまで飲ませてくれる元カレ

サラリーマンのくせにロン毛で、香水の振り方がちょっとキモい

カッコいいこと言ってたのにまんまと風俗行ってしかも泣きながら懺悔してくるし



今カレは今カレで

ダサいチェックのシャツとか着てるのに大麻リキッド吸ってたり

無職だし、おそらく太い実家のすねかじりしてる

元カノに中絶させた経験を自己陶酔したシナリオにして書く自称クリエイター



うーんどっちも微妙魂が抜ける



こんだけ殴り合いの喧嘩を繰り返しても

カナを追い出さない今カレの忍耐強さ(というかある意味コレも思考停止のひとつかも)


でも、元カレと付き合ってるときはこんな激しい喧嘩に発展してる描写はなく


そういう意味でどちらが相性がいいのかよくわからない



個人的にはカナのような人こそ自立してひとりで行きていくほうがラクなのではないかと思う

他者がいるからその人の深層心理が気になるし矛盾が許せないんだよね