「雀蜂」
貴志祐介
ミステリー作家の安斎は、八ケ岳の別荘で目を覚ました。
妻の夢子がすがたを消しており
さらに、別荘内にはなぜか大量のスズメバチが…!
安斎は過去にスズメバチに刺されたことがあり
2度目は命に関わる可能性がある
誰が、どういう目的で安斎をこの状況に陥れたのか…!?

大雪の中の別荘で目が覚めて、なんかおかしい…という状態から
部屋の中にスズメバチが一匹…二匹…
え!?まさかスズメバチたくさんいるんじゃね?どういう状況!?
しかも、外部への通信手段はすべて絶たれている…
まさかこれ大ピンチ!?
という、謎だらけのシチュエーションが少しずつ展開されゾクゾクして面白い
スズメバチの生態がかなり詳細で興味深い
そして、そんな知恵を活かしながらなんとかスズメバチと闘おうとするところも
ハラハラさせられる
そのうち、この状況は誰かによるあきらかな悪意によるものだということがわかり…
さて、この状況をどう切り抜けるか…?
ばかり考えながら読んでいたんだが
最後の謎明かしのところで
え?え!そうなるの〜!?
という思いもよらぬ方向へ物語が舵を切り…
最後まで気がぬけずおもしろいミステリーでした!
スズメバチより本当に怖くて恐ろしいのは人間!←ヒント
恐ろしさとおもしろさがなんというか、コンパクトにまとまっていて読みやすい作品
「天使の囀り」ほどグロテスクではなく
「ISOLA」や「新世界より」ほど恐ろしくはない
やっぱり、題材がスズメバチだからかなぁ
アナフィラキシーは確かに恐ろしいが
気色悪さとよくわからない畏怖という意味ではちょっとマイルドでしたね
結局は昆虫だもんな←コラ

