映画
「台風クラブ」


 

 

とある田舎の中学3年生たち


いっけん普通でも、不穏な心を隠している彼ら

町には台風が近付き

彼らの様子もどんどんおかしくなり…




思春期の妄想・または思春期に見た悪夢みたいな映画


低気圧で発狂する人びとの映画



有名な監督作品だと思うんですが

わたしは初めて見ました



え?なにこれホラー?


エログロ映画なのかな?



いろんな暴走映画を観てきた自覚がありますが


初めて



アナーキー

という言葉が頭に浮かびました滝汗



夜中、学校のプールに忍び込んで踊り狂う女子

男子を見つけたら全裸にして縛り上げて溺れさせる

それをヘラヘラ笑って見ている教師

教師の恋人(と親)が結婚をせまり教室に乱入

好きな女の子の背中に火傷を負わせる男子

そのうえ殺す勢いで女子を追い詰める男子

突発的に東京に家出して知り合った大学生としけこむ女子

男女入り混じって全裸で乱痴気騒ぎ



ヤベーやつばっかなのよ🤤



意味とか考えちゃいけないんだわ、たぶん

渾沌を愉しむ映画なのよ




と、思いつつも

これどうやって撮影したんだ…?


と思うシーンばっかり



長回しでずーっと

中学生男女数人が台風の中で

下着姿→全裸になって踊り狂うシーンとかある



現代じゃお蔵入り間違い無しの問題フィルムだと思うんだが 

昭和の作品となれば絶賛されるナゾ…凝視



ほかにも、

え、このシーン必要?

どんな意味があるの?

と、アタマがハテナだらけになるんですけど



登場人物のひとりがしきりに

「個は種を超えられるのか?」という哲学的な問題に頭をとらわれています



めちゃくちゃな登場人物のなかでも賢くて

それゆえに周囲を冷静に見ている少年です



自分という人間は、「人間」という種を超えられるのか

優れた個人も巨大な集団においては結局は平均化され淘汰されるということへの

憤りのように感じられます



少年はまた

「死こそが種に対する個の勝利」という持論を展開し

その結果…ゲロー



ハチャメチャで無軌道に感じられるストーリーのなか、

彼の自問自答だけは一貫しているように感じられて



そういえばそれこそ自分が中学生の頃

「勝手に生かされている」ような状態に日々苛立っていたことを思い出しました



簡単にいえば、

産んでくれなんて頼んじゃいねえ

っていう


でも気づいたら生まれさせられていたし、

だからといって何一つ自分に決定権はなく

常にだれかに責任を負われる存在

そしてそれに感謝せよと強要される存在


そういう状態に苛立っていました



なんかこの映画の意味不明な衝動性や暴力性もぜんぶ

あの思春期の頃に全部ぶっ壊してやりたいと夢想したり

赤裸々な本心がまんま投影されて思わず恥ずかしさで飛び起きた悪夢みたいだと思いました



だから結局…

この映画がなにを伝えたいかは正確にはわからぬままです…😌



ただ、

自分の記憶にうっすらあるかないかのすべて木造の校舎や

今はたいてい朽ち果てている昔のタイプの団地がまだ新しい状態だったり

そういう映像は観ていて楽しかった



幼さの中に危うさをはらんでいる工藤夕貴がめちゃくちゃカワイイですウインク






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