映画
「国宝」
またも上映中の新作を映画館で観るとは…!
ブログタイトルの「懐かしい本や映画〜」に反するなぁ
別にいいじゃん

しかもねなんと
一人で映画館に行きました!
一人で映画なんて…思い起こしたら
「うさぎドロップ」以来!
14年ぶりぃ!

さてこの映画
簡単にあらすじ申しますと
歌舞伎一門の御曹司、俊介と
俊介の父親に才能を買われて一門入りしたヤクザの生き残りの息子、喜久雄
二人の数奇な運命が描かれます
俊介を横浜流星
俊介の父で当主の花井半次郎を渡辺謙
喜久雄を吉沢亮が演じてます
わたし、「吉沢亮、横浜流星、歌舞伎」ってくらいの前知識しかなかったもんだから
少年時代の子役さん(「怪物」に出てた)を横浜流星だと思い込んでて
横浜流星ってこんな顔だっけなとか思ってた
顔も違うけど年齢も違うだろ
しかも少年期が終わってみたら、
ふたりがわたしの想像と反対の役柄を演じてるもんだからしばらく混乱した
吉沢亮が御曹司だと思ったの
でもストーリー自体はすごくわかりやすくて
つまり
歌舞伎の正当な血筋ではないが才能がある喜久雄と
才能はそこそこだが確固たる血筋をもつ俊介の
それぞれの苦悩が描かれます
人生の前半は才能が血統を凌駕するかに見える
でも後半からじわじわと、「血統」がモノをいう世界
むしろ、血統ありきなんだよな…
〜〜ここからちょいちょいネタバレあるかも〜〜
てかね、この物語の悲劇の発端は
渡辺謙のファーストチョイスがバッドすぎた
ことだと思う
渡辺謙と寺島しのぶは俊介の両親であり師匠
息子を思う気持ちと、歌舞伎の完成度を求める気持ちの間で揺れています
でもねでも
結局「両親」の立場を捨てきれないなら
結局「血筋がすべて」って知ってるなら
おとなしく俊ぼん選んどけよ〜!!
そこから面倒なことになるわけじゃん
そして、高畑充希!
なんでだよ!!
渡辺謙の矛盾はジレンマがあるから理解できるけど
高畑充希キミはまったく意味不明だ!!
サイコパスかな?
どんどん拗れて不幸せになっていきます
とはいえ、映画を観る限り
あまり悪人はいないんです
たとえば喜久雄と俊介がもっと汚く陥れ合いするのかと思ったんですが
ふたりともまあまあいい子なんです
てか俊ぼんめっちゃいいヤツだと思う

喜久雄も、主人公の宿命というか置かれた立場の難しさから
闇落ちするんですけど
闇落ちしても、芸に対しては一貫して真摯です
俊介も、いちどは歌舞伎から逃げるんですが
やはり芸から逃げることはなく、向き合います
とはいえ、喜久雄に比べてカムバックが容易いのは御曹司パワーがあるよな
出会って、別れて、再会してからもずっと
複雑な事情を数多く抱えながらも
二人は不思議と憎しみ合うよりお互いを思いやっているように見える
歌舞伎の悪魔に魂を売った者
もとい
歌舞伎の悪魔に目をつけられ、すべてを捧げざるを得なかった者
歌舞伎の悪魔の存在を知っているふたりだからこその共感、許し合いなのだろうか
ただとりあえずひとつ言いたいのが
糖尿病になりすぎじゃね?
失明や脚が壊死するまで病状に無頓着だったことや
毎晩豪遊するという描写から
2型糖尿病かなーとは思ったが
あのスリムな横浜流星さんが2型糖尿病の役ってのもなー
「血筋がすべて」とはいうけどそこまで受け継いじゃうんかい!
さて、この「血筋がすべて」
物語の序盤からたびたび出てくるワードでして
てことは、結局喜久雄がいくら努力しても無意味なんじゃん?って思うけど
やはりそれだけじゃない
歌舞伎の悪魔は神様でもある
悪魔にすべてを捧げた者にだけしか見えない景色を見せてくれる
その景色にたどり着くラストは圧巻です
あとやっぱ
長く生きて続けるってのが単純に強いよね
健康大事!!

3時間の映画ですが長さを感じさせないテンポ
そして、画面に常にイケメン(または美しい女形)が映っていて眩しかった🥺