双葉(宮沢りえ)は夫(オダギリジョー)が家出して1年、
娘の安澄(杉咲花)と健気に生きてきた
しかしある日、双葉は末期がんを宣告され
延命を望まない双葉は一念発起し、休業中だった家業の銭湯を再開しようと決める

観たことはなかったものの、名作としてよく耳にする作品
だが、
観はじめはツッコミがとまらなかったのでまずそれを聞いて下さい
よかったところはもちろんあるので最後に言います
いつも明るくて一生懸命の母親、双葉なんですが
娘が思っきしイジメにあってるのわかってるのに対応それ??
もちろん高校生にもなればなんでもかんでも親が介入していいとは思わないが
安澄はあきらかに制服を盗まれたり、アタマから絵の具をぶっかけられたりしてる
そんな安澄に双葉がかけた言葉→
「その絵の具のなかで、どの色がいちばん好き?」
挙げ句は
「明日も学校行こうね!!」
うん
サイコパスかな?
ハァ?
え?
育児ってもしかしてそんな感じでいいの?
と、脳がバグる想い
双葉的には「どんな困難も自分で立ち向かわなきゃダメ!!」ってことなんですが
さすがにそんな子供の大ピンチに
もう少し親が闘い方をサポートしてもいいんじゃないの?
え?私過保護?
結果、安澄はひとり必死で闘うんですが
それもなかなか悲惨な結果になったよね…?
双葉は「よくやった!」的に捉えてるんですが
私としては
いや、ぜんぜん良くない
あんなことは娘の人生に起きないほうが絶対いい
と思う
てかねぇ
この映画に出てくる母親たち
カンタンに子供を捨て過ぎだし
なにより
おい
オダギリジョー(双葉の夫)!!
おまえがすべての元凶よ!!
節操なさすぎ
おまえがオダギリジョーじゃなかったら
ヌッ殺してるわ!!コラ
オダジョーは双葉が死期が近いと知り
彼女を助け銭湯を再開するために家に戻ってくるんですが
シレッと婚外子の鮎子を連れてくる
その婚外子も、すでに若い母親に捨てられています
なんなのみんな…
いよいよ死の床についた双葉に
夫はびびってろくに見舞いにも行かないし
挙げ句の果てに
「これが俺の精一杯」とか抜かして
病院の庭で家族総出でピラミッド

双葉が死ぬ前にエジプトに行きたいって言ったからなんだが
違う、そうじゃないだろ
ほかにも、
脳にまで病に侵されて手の震えがあるのに
レンタカー運転して子供たちを連れて旅行に行く双葉もどうなの?って思ったり
旅行中に会ったヒッチハイカー(松坂桃李)の
身の上話を聞いたたけで突然熱く抱擁し合うのも突然すぎたし
このヒッチハイカーといい、探偵の男といい、宮沢りえが美しすぎるせいか
ところどころ必要のない恋愛の香りみたいのが邪魔だと思った
母親に捨てられたと悟った鮎子が
双葉たちに「どうかこの家に置いてください」と懇願するのも
どう見ても小学校低学年の子どもがそんな事言うか?と思ったり
正直ひっかかるところばっかなんですけど
最期、
あんなに美しくてキラキラしていた双葉が
まさに生ける屍のようになっていて
宮沢りえの圧巻の演技!
美しい人も、元気な人も、
愚かな人も、いい人も、クズもみんな
最後は弱って言葉も出なくなって死ぬ
それが人生
という、あたりまえのことがズドーンと心に来ましてね
それを効果的に響かせるための
ここまでの茶番ストーリーだったのか?
とすら思った
生前のしがらみはすべて捨て去って
死んだら花を抱えて荼毘にふされる
乾いた骨になって煙は頼りなく天に昇る
そこまで人生にどんな物語があったとしても関係ない
でも、双葉はそれだけじゃない
最後の最後に、みんなを
(それこそ、夫も娘も夫の婚外子も、夫の元妻も関係なくみんな)
一切合切ひっくるめて暖めて天国に行く
文字通り暖める
愛に溢れた人の生き様。
なにかと文句つけながら鑑賞していたはずなのに
ラストシーンにはもはやなにも言えなくなっていました…!
