ファイル共有ソフト「Winny」を開発し
匿名掲示板に公表したプログラマー、金子勇(東出昌大)
そのソフトはたちまち悪用され
著作権侵害による被害やウイルス混入による情報漏えいなどの被害が広がった
実際に著作権侵害行為を行った者だけでなく、
開発者である金子も著作権侵害幇助の罪で逮捕された
この前代未聞の事態に立ち上がった弁護士の壇(三浦貴大)は…

お…おもしろかった😳
わたしに理解できないんじゃない?と思ったけど
Winnyやプログラミングの超超超超初心者向けの説明がされていて
いちおうだいたいは理解できた(と思う)
物語と並行するかたちで、
警察の裏金問題を告発する巡査部長、仙波(吉岡秀隆)の物語があり
この人物と事件もまた実在するものです
システムだろうと道具だろうと
まず開発ありきで
それが悪用されたり、不利益に働く欠点は
運用してみて初めてわかってくるもので
💣ダイナマイトもそうですね
それが分かった時点でトライアンドエラーをくり返し
少しずつ社会に有益な、良いものに改良されるもの。
しかし、このWinny事件では
改良の余地もなく、開発者の金子氏が逮捕され
そこから気の遠くなるような時間
すべての開発や進歩はストップされてしまいます
それってもしかして、
Winnyを潰すこと自体が目的なの…?
この警察の裏金事件を通して、そんな匂わせを感じます
てかね、金子さん
なんでまたWinnyを2ちゃんに最初に発表したんだ…
バカにみつかるとなんでもすぐ悪用されるからね
改良が必要な不完全なソフトだったとしても
発表の場を選べばもう少し被害は少なかったような…
ただ、この映画で描かれる金子氏という人物像をみるに
2ちゃんで発表というのはとても彼らしく感じた
金子氏は子供の頃からプログラミングを愛していて、
プログラミングだけが自分を表現できるものという言葉が繰り返し出てくる
想像をカタチにできそうなプログラムならば、作らずにいられない
そして、それを手っ取り早く誰かに見せたいというか
そこには、悪用したいとか
それで社会を恐慌に落としたいなどという思惑までは及ばす
山があったから登りたい、そこで見た景色を伝えたい
くらい無垢な物だったのかもしれない
東出昌大の演じる
賢そうで、ちょっと不気味で浮き世離れしてまるで子供のような
主人公の雰囲気、すごく良かったです!
東出昌大は役のために18キロ増量したらしいんだが
まだまだカッコ良すぎだろ!と、思ったら
映画の最後に実際の金子勇の映像が出てくるんですが、ご本人もなかなか端正な方でした
なにより、動きとか喋り方とか完コピなみにソックリ!
そして、壇弁護士との出会いは奇跡の運命と言わざるを得ない
依頼人と弁護士というだけの関係以上に、
壇は金子の才能を認め、その人柄に親しんでいるように見えます
映画内では、壇さんもなかなかヲタク基質の人なのかなと思った笑
ふたりが定食屋で食事をするシーンがあるんですが、
天才プログラマーである一方、金子は魚の食べ方も知らず
また、偏食寄りのこだわりをみせます
そのシーンをみて、なんか既視感があると思ったら
「聖の青春」でした
奇しくも東出昌大が出演してることと
主演の松山ケンイチが役作りのため増量したのも共通してる
天才騎士の村山聖も、
幼い頃からの闘病と将棋に明け暮れることで一般的な生活能力を持ち合わせていませんでした
そして、村山聖も金子勇も夢の途上で夭折しています
金子勇は一度敗訴しますが、
7年半かけて無罪を勝ち取り、その後ほどなくして亡くなります
金子と壇は最終的には勝つのですが、
勝利のシーンは映画ではやらないんです