「ポースケ」
津村記久子

コレの続きデス下差し
「苺の逃避行」


小学生の梶谷恵奈は、ドッチボールとクラスメイトの前川さんのお喋りが苦手で、
校庭ではこっそり苺を栽培している。

ある日、いつものように校庭の隅でこっそり苺の世話をしていると
苦手な川崎先生がやってきて…



恵奈は、ヨシカの友人りつ子の娘

「ポトスライムの舟」では、両親の離婚問題のためナガセの家に居候していた



両親の複雑な状態を感じながら育ったせいなのか、

恵奈は大人びており、


まわりの世界や大人たちを、よくわからないが計り知れないものという感じで

つねに警戒している様子である。



よくわからないがどうも世界が不穏、

その状態がいちばん怖い。



さらに恵奈は、もともと不穏に感じていた川崎という男性教諭の

恐ろしい本性を目にしてしまう



誰かに見つかったら捨てられてしまうかもしれない苺は、

なにかヘマをしたらとんでもなく傷つけられてしまうかもしれないという

恵奈自身の不安感を投影しているように思う



そんな恵奈と苺に、思わぬ協力者が現れる 

なんと川崎先生と付き合ってる疑惑のある中根先生と
恵奈とはべつのクラスで、同じく大人びたタイプの斉藤さんだ

斎藤さんと恵奈の会話シーンがおもしろくて好き


物語の最後
恵奈は少し世界に馴染んだように見える


大人たちにもなにかいろいろ事情はありそうだが、
世界は悪い人や不穏なものばかりではないと感じたのかもしれない


恵奈が子供らしく春休みの1日めに心を躍らせる様子に
なんだか嬉しくなった


 

 


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